無事。全員でのカードゲーム大会は終了し、みんな部屋を離れていった。
その時。私に声をかけたのは
まさか……。あの、私がドキドキしてしまった話!?
なんて答えればいいのよ!
すごい無理やりの押し込み。……しょうがない。私がりょうの策に乗ってしまったからだ。
そういうと、まっすぐ腕が私のお尻と背中を捉え、そのまま抱きかかえられた。
困ったふりをしつつ、歩きは緩まない。
りょうの部屋!?……なんで!
私は身をよじって、りょうから逃れようとするが、
階段を上っている途中だったせいか、さっきより強く抱きかかえられている。
私には苦い思い出が。まだ、お屋敷にいた時、目が見えない状態で壁を伝って廊下を歩いていたら
誤って下へと落ちて骨折したという経験がある。
恐怖のあまり、私はりょうの服の裾をつかむ。
絶対、満面の笑みで歩いてるんだろうな。
私はそのまま、反論することなくりょうの部屋へと話をするため向かっていた。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。