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第75話

だい。ごじゅうななわ
影山
影山
あなた様…!手を離さないで…!!
あなた

う、うん……!

影山につられお屋敷の中を走り回る。
ただ走り回っているわけではない。私は後ろから迫り来る足音が聞こえていた。
あなた

ね…ねぇ…影山…!?

影山
影山
はい……なんでしょう…!?
彼は私の手を精一杯引っ張って走り続ける。
彼は気づいているのだろうか…?いや……気づいてないわけない。
あなた

(気づいていなかったら……私の手をこんなに力強く握りしめたりしないはず…)

彼は私を不安にさせまいと今の状況を伝えようとはしていないのだろう。
………しかし、私はそんな彼の気遣いを無視することにした。
あなた

後ろから……誰かきてない…!?

影山
影山
………あなた様にバレるとは……!私も…不甲斐ないですねっ…!
あなた

大丈夫なの!?

影山
影山
大丈夫…………だと言ったら嘘ですねっ……!
はぁはぁと息が漏れていた。流石にずっと走り続けるのは誰でも無理なのだから…。
影山
影山
くっ……もう…追いつかれるっ……。
そう呟くと彼はキュッと走る足を止めた。
あなた

えっ…!

影山
影山
あなた様……申し訳ありませんっ……。
影山
影山
ここで……少し荒らしますよ…?
あなた

か、影山……そ、それって…?

私はハッと目の前に大勢の人が集まってきたのに気づいた。
あなた

(囲まれてる……!1……いや…20は居る…!?)

あなた

か、影山!

あなた

ダメ……闘ったら…あなたが傷つく……!

私は彼を行かせまいとぎゅっと手を握る力を強めた。
影山
影山
あなた様……。
あなた

やだ……やだ……あなたがいなくなるなんて…。

影山
影山
私は……あなたが居ないと生きた心地がしないんです…。
あなた

えっ…

影山ははぁっと息を一息つくと恥ずかしそうにこう続けた。
影山
影山
私は…あなたが生きているからこそ…成り立っているのです。
影山
影山
私は……あなた様のことを……。
影山
影山
あなた様のことをお慕いしているのです…。
あなた

………か…げやま……?

私は何のことかと頭が真っ白になった。
「私のことが好き」……?どういうことなの……?
影山
影山
申し訳ありませんっ!
私が放心状態のうちに彼は服区の裾をつかんでいた私の手を思いっきり叩いた。
あなた

……っ…!

私が痛みに負け少し力を抜いた隙に彼は私から離れた。
あなた

………はっ…!影山……!?

私が気づいた時には遅かった。
頼りになる聴力には、誰かを殴る音……吠える男たち……そして影山の声が聞こえてきた。
影山
影山
……っ…!はぁっ……!
あなた

影山ぁぁぁぁぁぁ!!

私は彼に降りかかっていることから背けることしかできなかった。
視覚が無い中……私がわかることは誰かが殴られ、誰かが殴っているという状況……。
あなた

やだ……やだっ……怖いよ……怖いよっ…!

私はただ耳を塞いで壁に寄りかかって座っていることしかできない。
しかし、耳を塞いだって声は聞こえてくる。
影山
影山
や、やめろっ……ぐはっ……!
彼の腹を殴ったのだろう。鈍い音が響き渡る。
あなた

かげ……やま…?

はぁはぁ……と息を切らし正気じゃ無い私に聞こえてきた言葉…。


「やっと片付いたな」という声………………。
あなた

嘘……嘘っ……!?

私のせいなんだ。私がいるから……存在するから……!
あなた

みんな傷つく……。

あぁ。まただ。私の心が真っ黒に染まっていく……。止められない。
……しかし、彼の声で私は我に帰る。
影山
影山
……まだ…だっ…。
影山
影山
俺はまだ……生きてる……!
あなた

影山っ!?

影山
影山
頼むから……お前ら……。
今まで聞いたことがない影山の低い声。いつもと違う雰囲気をまとっている。
影山
影山
頼むから………あなたから俺を引き剝がさないでくれ!!!
彼はもう一度彼らと拳を合わせる。
バチッ……バチッ……鈍い音だ。聞いていられない。私はただ……耳を塞ぎ祈っているだけ。
あなた

また……彼らに会いたい……。一緒に過ごしたい……。

そう信じて。