突然私の名を呼ばれる。私が不思議そうな顔をすると
私が少し口ごもっていると
思い出しただけで頭がパンクしそう。早く忘れようと思っていたのに……。
私はコクっと頷く。
真実を話そうとした時。彼は私の言葉を遮った。
私の気持ちが見透かされたのかな。………だが、彼の言葉は私の的を外していた。
私は慌てて、自分の目へと手を持っていく。すると、大粒の水が溢れていた。
私は慌てて目をこする。
これは事実だった。あの地獄のような生活から抜け出したのに。この……モヤモヤとする気持ちが晴れないのだから。
りょうは少し考えて、私の手を取る。そして、しっかりと自分の手を握らせる。
りょうはそのまま私の手を取り、外へと飛び出していった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。