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第72話

だい。ごじゅうよんわ
私は彼と一緒に歩き始める。
彼のいう「パン屋さん」に向かうということだった。
あなた

それって…どれくらいの場所にあるのですか?

ツリメ
ツリメ
えぇ…っと…後……5㎞くらいかなぁ。
あなた

……わかりました。

そのあと、私と彼は会話をすることなく歩き続けた。
……その最中。私が何か考えていないわけがない。
私はずっと、考え続けていた。お父様のこと……ツリメさんのこと。
……私の距離などの感覚は他の方よりも優っている。私は明らかにおかしい点に気づいた。
もう……5㎞以上歩き続けている。たくさんあちこちの曲がり角を曲がっている。
あなた

(もう……ツリメさんは……黒)

私は確信した。
彼はお父様の仲間だと。影山と……繋がっているのだ。
あなた

(どうしよう……)

急に不安が私を襲ってきた。
…………もう…みんなを守ると言い、出てきたのに。
ツリメ
ツリメ
あなた……?
あなた

え、え?

あなた

なんでしょう?

ツリメ
ツリメ
いや〜……反応がなかったからさ…
あなた

い、いえ……考え事をしていて。

ツリメさんに勘付かれたらまずいため、どうにかして話をうやむやにする。
すると……角を曲がろうとした途端。
ツリメ
ツリメ
あ………
ツリメ
ツリメ
あなたの髪の毛に葉っぱがついてるよ…?
あなた

え…?本当ですか?

ツリメ
ツリメ
うん。緑色のね。
ここで「取ってください」と言ってしまったら、何か…嫌な予感がする。
しかし、彼は私が何も言わなくとも後ろに回った。
ツリメ
ツリメ
………取ってあげるよぉ…。
あなた

…………

私は彼の言葉より、彼の動きが気になっていた。
彼は……何か。ビリビリとした……機械を持っているようだ。
少し空気がピリピリとしているのをうなじあたりの皮膚で感じる。
あなた

(嫌な予感しかしないよっ……)

できることなら、ここから逃げ出したいのに。
でも………逃げたら彼らの安全は保証できない。
私は恐怖をぎゅっと押し殺し、震えた声でこう伝えた。
あなた

…………はい。お願いします。

ツリメ
ツリメ
…………わかった。
ツリメ
ツリメ
いい子だねぇ……あなた…。
その瞬間、うなじあたりからビリビリと痺れるような痛みを感じた。
私はそこで記憶が途切れた。私の体は後ろに倒れこむ。それを…彼が優しく包み込む。
そんな彼の心と表情が全く異なるような、声を発した。
ツリメ
ツリメ
さようなら…あなた。
そんな寂しげな顔が私の瞼の裏側に残った。
私の記憶はそこまで。彼は何とも言えない表情をし、苦虫を潰したかのように唇を噛み空を見上げていた。