今日は新月。月が出ていない夜に、明かりが灯っている家が一軒だけあった。
そこには、苦しそうな顔をする影山がいた。
すると、不意にドアが開き、1人の男が部屋に入ってくる。
楽しそうな雰囲気をまといながら入ってきた、1人の男。
なぜか、彼にはぞっとするような雰囲気を感じる。
そんなことを気にせず、影山は彼にひとつ、疑問を投げかける。
影山はほっと胸をなでおろす。
影山は、あなたを取り戻したほうがいいのかと悩んでいた。
あなたは、あの家にいたほうが幸せなのではないかと…………。
影山は眉間を歪ませる。
影山の熱い考えを、冷たく制す。
影山に反論する隙も与えず、こう続けた。
男の人はぐるぐると影山の周りを歩き始めた。
男の人の言葉に、とっさに反応し、大声で叫んだ。
男の人はニヤリと笑い、影山の肩を掴んで、こうささやいた。
彼は今まで見せたことがない笑顔で、笑ってみせた。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。