突然のことで私も戸惑う。彼女……?って言った…?
赤髪…?髪色が赤ってことなの
と拳を振り上げ殴ろうとしたその瞬間。
立ち去ろうとした親分と呼ばれる存在は、ジッと私を見ていたようだ。
それに気づいた助けてくれた人が、
と低く、そして冷たい声でそう言い放った。私の心には、
なにか…。氷で冷やされたように心臓が縮むのを感じた。
そう立ち去ろうとしたその時。
私の耳にはこう言ったように聞こえた。
聞いたことのある声。変声期が来たのか声は違うけれど…。絶対…。
叫んだけれど去ってしまった。
私がそう確信していると、助けてくれた人が
と話しかけてきてくれた。
と深々と頭を下げた瞬間。私はバランスを崩し倒れてしまった。
と言ったものの1人で立てない。どこに障害物があるかなんてわからないからだ。
すると、そのことに気づかれたのか…。
私は静かに頷いた。すると、何かを察したのか彼は公園まで私を連れ出した。
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。