モトキは固く決意した後、あなたを起こそうと体を揺すった。
私はいきなり体を揺すられて、誰かと驚きながら私は目を覚ました。
私はぺこりと頭を下げる。
そして、頭を上げようとした時もっきゅんが私を制した。
私はもっきゅんの言う通りに、体の動きを止めた。
私は眠る前の記憶を蘇らせる。
……あれ?そういえば…彼の腕の中に入って寝てた……?
よく考えると、私のお腹に何かが回されている。
私が両手でそっと触れると、大きな手と思われるものに触れた。
私は驚いてどうすればいいのか焦る。
すると、もっきゅんは私のお腹に腕を回した。
もっきゅんはするっと、りょうの腕の中から私をすくい上げた。
目が見えない私にはすごく怖かった。
でも、もっきゅんはそっと耳元で囁いてくれた。
彼はそっと私を床へとおろしてくれた。
張り詰めていた神経が切れそうだった。
すると、そんなに面白かったのかもっきゅんがふっと笑みをこぼした。
彼はプニプニとほっぺを触ってきた。
すると、もっきゅんはもう一度私を抱き上げた。
私は怖さには背を変えられず、もっきゅんの首に手を回した。
もっきゅんはそのまま私をリビングへと連れていった。
その頃部屋に「寝たふり」をしていたりょうはこっそりと片目を開け、人がいないのを確認して両目を開けた。
すくっと立ち上がり、う〜んと伸びをする。
りょうは両手の手のひらをじぃ〜っと見る。
彼はあなたを抱きしめた時の暖かさ……柔らかさ……の全てを思い出していた。
りょうは決意を固めた目で天井を見つめた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!