彼女が泣いている声が聞こえる
本当ならすぐ駆け寄りたい…
でもあなたはきっと見られたくないと思ってる
泣きそうになったら逃げてたから
今回だって…
でもさ…
ガチャ
ごめんあなた
嫌だろうけど…
聞いてらんない
彼女を抱きしめて頭を撫でる
お願いだから突き飛ばさないで…
〜あなたside〜
なんで来ちゃうの…
私今切り替えようとしたばかりなのに…
期待はやめたのに…
『フジにはきっと話しても…』
………意志弱いってば…
『だからってこのままはやだ!フジにお礼も謝罪もしないで向こうから優しさだけ貰い続けて…それでも何も返さないなんて…』
それくらいしか…
それしか出来ないんだよ…
最後の言葉はほぼカタコトで部屋に逃げた
言い過ぎた…
それに自分の口から飛び出した言葉に自分で驚いてる
最近見たからかな?
全身…
うわぁーやめよやめよ
考えるな!
風呂もそんなにゆっくりできずベッドに潜り込んだ
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!