第16話

寒空の下
605
2020/04/06 22:26
寒い…



東京でも夜はこんなに寒いの?



どうしよ…



どっかお店とかに入った方が…



でも下手に迷うと迷惑かかるし帰って来れないかも…



とかドアの横でうずくまって考えながら手に持つスマホの画面を見る



そして彼の番号を押そうとして手が止まる
あなた

………

言えないって…



それに今更電話なんて…
あなた

( >д<)、;'.・ハクション!

寒い…



背中が冷たい…



彼の電話番号を打った画面のまま…スマホを握りしめ



顔を伏せて彼の帰りを待った








フジ
フジ
………
あなたもう寝たかな?



流石に遅くなった



終電ギリギリ
フジ
フジ
寒っ
地元よりは断然マシだけど薄着だと寒い…



って…
フジ
フジ
あなた!なんで…
あなたがドアの横で蹲っていたから驚いた



なんでかと思ったがすぐ分かった
フジ
フジ
もしかして鍵…持ってない?
彼女はこちらを少し見上げず下を向いたまま


質問に答えようとしない
フジ
フジ
取り敢えず入ろ
寒かったでしょ
手冷たい…



結構長くいたな…
フジ
フジ
電話したらすぐ帰ったのに…
彼女の手の中のスマホの画面が目に入る




俺の番号…




そんなに俺頼りない?




そんなに隠したい?







彼女に上着をかけて部屋に入る



どれくらいいたんだろ…



本当に冷たい



取り敢えずココア入れて風呂だ

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