〜フジside〜
また…
また彼女は俺のそばに居てくれる…
1度置いてきてしまったのに…
それでも…
寝言?
そう言った彼女の瞳から…ひとしずくポタリとシーツに落ちた
俺…なにしてんだろ…
あなたも寂しかったって…
なんでわかんないんだよ…
一昨日話してた時だって
フジ「俺を1人にしないで」って言ったら固まってたし
フジ「もう1人にしないから」って俺が言った時…すごく怖がってるみたいだった…
本当に不安だったんだ
彼女の綺麗な髪をそっと撫でる
本当にもう1人にしないから
1人にしてって言われても絶対にしない
うさぎは寂しいと死んじゃうしね
目をぱちくりさせる彼女
その目が俺を見つけると細めて
さっき寂しそうに言葉放った小さな口から
おはようが出てくる
眠そうにそう言って手を伸ばす彼女の手を取る
逆にひんやりしてて柔らかくて気持ちいかも
いつまでも触ってられる
頬擦りしてもいいし
しばらくこのままでも俺は構わない
それだけキミがここにいてくれるなら
…
着替えて朝ご飯食べようとした時
あなたは荷物を持って部屋から出て来た
俺も取り敢えず親に連絡して実家に行くことに
なんか電話したら「やwっwぱwりwかw」という姉の声が聞こえた
なんでいるんだ?
と考えたが答えはすぐ見つかった
雪音さんか…
そういえば姉ちゃんと同い年で学校も一緒だったしまだ仲良いのだろう
それもそうか
実家だから別に手ブラでも…とも思うけど…
ピストンのおやつとおもちゃは忘れないようにしよ
そんな会話をしつつ
俺たちは部屋を出た
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。