第4話

監督生です。先輩達に追いかけ回されます。
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2021/12/05 00:54
あなたが朝ご飯を食べ終えてから、クロウリーはこれからあなたがどうしていくかの話を始めた。
クロウリー
さて…。あなたさんがこれからどうしていくか、ですが…。
クロウリー
あなたが元の世界へ戻るまでただ居候させるわけにはいきません。
(なまえ)
あなた
(デスヨネー。まぁそうくると思っていましたが。)
(なまえ)
あなた
で、僕に何をしろと?
クロウリー
話が早くて助かります。
あなたには、この学園の雑用係をしていただこうと思います。
クロウリー
受けてくださるのであれば、当面の衣食住は私が保障いたしましょう。
クロウリーにそう言われ、何だ、そんな事か、とあなたは安心した。
あなたが元の世界でやっていた“仕事”に比べれば全然楽だ。
(なまえ)
あなた
分かりました。その仕事、引き受けます。
クロウリー
そう言ってもらえて嬉しいです。
クロウリーはあなたの返事を聞き、ニコリと笑った。
クロウリー
では、早速明日から仕事に励んでくださいね!





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そして翌日。
今あなたは周りでは友達と楽しく会話しながら登校するというザ・青春のワンシーンなのに自分はボッチで掃除をするとかいう罰ゲームじみた状況に立たされている。
(なまえ)
あなた
(いやこれ冷静に考えてかなりひどい状況ですよね?生徒がいる日中に掃除させるんだったらメインストリートじゃなくてもっと目立たない場所にしてくださいよ全く…。)
あなたは心の中でそうごちながら、サッサッと箒で道の端の方、石像が並んでいる辺りを掃く。
紅葉が始まり落葉し始めるにはまだ早い時期だが、落ち葉はちらほら落ちており、あなたはそれらを目立たない位置に集める。
(なまえ)
あなた
(う~…。それにしても…。)
モブ
なぁ、あれ誰か知ってる?
モブ
さぁ?新入生が早速何かやらかしたとかじゃねぇ?
(なまえ)
あなた
(頼みますから僕の話をしないでください…っ。ヒソヒソ言ってるつもりでも聞こえてますから…っ。)
チラチラと好奇の目を向けられ、ヒソヒソと妙に気になる音量である事ない事言われると、どうにも気になって掃除が手につかない。
あなたが俯きはぁ、とため息を吐いていたら、地面にぬっと影が差した。
(なまえ)
あなた
(後ろに人の気配が1,2…3つ。)
(なまえ)
あなた
(僕の事は今日の昼食のネタ程度にしておいてくださいよ…。何で絡んでくるんですかねぇ…。)
(なまえ)
あなた
…で、何の御用ですか?
あなたが渋々、といった様子で振り向けば、そこには耳の生えた人間────いや、獣人があなたの予想通り3人立っていた。
皆あなたよりずっと身体が逞しく、魔法が使えないという状況ではあっという間に打ちのめされてしまうのが目に見えている。
獣人A
なぁ、お前、何者なんだよ。
獣人B
腕章付けてねぇけど、寮どこ?
獣人C
今は罰ゲーム中?可哀想になぁ。
ニヤニヤと笑う獣人達に色々言われ、あなたが苛立ち始めバレない程度に魔法使って嫌がらせしてやりましょうか、と思っていた時に、その人は現れた。
(なまえ)
あなた
(今日1日事あるごとに机とか椅子とかタンスの角に足の小指をぶつける魔法でも掛けてやりましょうか…。今術式思い付きましたし。)
????
ね~え~、何してんのぉ?それ、面白い?
(なまえ)
あなた
(っ……!?この声はっ!!)
あなたはヤバい空気にいち早く敏感に気付き、咄嗟にフードを被り声のした方────獣人のいる方に背を向けその場にうずくまる。
もし何かあっても即座に逃げられるよう半ばクラウチングスタートみたいな姿勢でしゃがんだあなたを、獣人はただ変人を見る目で見、そして後ろを振り返る。
獣人A
おいお前何だよ、いい所で水差しやがって……ってうえっ!?
フロイド
フロイド
ふぅん。誰が“お前”だって?生意気な口聞くって事はぁ、それ相応の覚悟は出来てんだろうなぁ?
獣人B
ヒッ!フロイド・リーチ!?
獣人C
何でお前がこんなところに!?
フロイド
フロイド
別にぃ、オレがどこにいたってオレの勝手だよねぇ?
獣人達が上手い具合にフロイドの気を引いてくれているので、この隙に逃げてしまいましょう、とあなたは考え、足音を出来る限り忍ばせて、でも素早くこの場から去ろうとする。
だが。
(なまえ)
あなた
うわっ…!
あなたは大事な所でやらかしてしまう星の元にでも生まれたのだろうか。石畳の段差につまづいてしまい、転び……そうになったところを、何とか受け身を取り地面と仲良しこよしする事態は避けられた。
しかし、もちろんそんな目立つ動きをしていればバレるというもので。
フロイド
フロイド
あれっ、まだ誰かいたんだぁ…ってお前!?
(なまえ)
あなた
(あぁもう、受け身を取った時にフードが取れて顔がバレたじゃないですかっ!)
あなたは今度は2m近くある先輩と仲良しこよしする事態を避けるために、近くにあった茂みに飛び込んだ。
(なまえ)
あなた
(あ~あ、草まみれになっちゃったじゃないですかもうっ。まぁ逃げるなら身を隠しやすい森一択ですけど…。)
フロイド
フロイド
ちょっ待てよ!あん時本の片付け押し付けた事忘れてないかんな!
しかしフロイドが一度狙った獲物を逃すわけが無く、あなたが逃げていった方を見据え、長い脚で茂みをまたいだ。
そしてフロイドを少し離れた場所から見守っていたアズールとジェイドはその急展開に目を見開く。
アズール
アズール
フロイド!?どこへ行くんですか!?
フロイド
フロイド
この前言ってた小魚ちゃんのトコ!
それを聞き、アズールとジェイドはさっきとは別の意味で目を丸くし、そして顔を見合わせニヤリと笑う。
ジェイド
ジェイド
ねぇアズール。フロイドが言っているのって、この前のショートキャストの方ですよね?
アズール
アズール
えぇ、ジェイド。今は授業よりこちらです。さぁ、フロイドに協力しますよ。
この声があなたに聞こえなかったのはあなたにとって良かったのか、それとも悪かったのか…。





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(なまえ)
あなた
あぁもうしつこいですね!いい加減諦めたらどうですかフロイド・リーチさん!?
フロイド
フロイド
諦めねぇよこんなにおもしれぇのにっ!
あなたが木の枝に掴まり太い木の根を飛び越えながら半ば叫ぶようにそう言えば、フロイドはあなたの後に続き木の根を軽くジャンプし乗り越えそう返す。

さっきから2人は付かず離れずの距離を保ちながら、足場の悪い森の中を駆け回っていた。
(なまえ)
あなた
(あ~~~~~~疲れました。今すぐベッドにテレポートしたいです。
でも彼…フロイドさんに見られている状態で使用するのは…今更な気もしますけど、でもやっぱり良くありませんよね…。)
そんな事を割と真面目に考えながら走っていたら、ふと前方に新たな気配を察知し、あなたは停止し視界の左端にフロイドが、右端にこれから現れるであろう人達が映るような場所に立つ。
視線は固定したまま、ゆっくりと後退し無防備な背を壁代わりになりそうな木にくっつける。
フロイド
フロイド
も~、遅かったよぉ、アズールぅ、ジェイドぉ。
アズール
アズール
すみません、僕達はあなた程運動神経が良くありませんので。
ジェイド
ジェイド
にしても、フロイドなら小魚の1匹や2匹、すぐ捕まえられると思っていましたのに…。
(なまえ)
あなた
(えっ、何かフロイドさんに超そっくりな人と銀髪の美人が来たんですけど…えっやだ2m弱×2+美人の圧半端ないんですけど。)
(なまえ)
あなた
(多分フロイドさんに似てる方がジェイドさん、ですかね。恐らく兄弟でしょうし名前の響きは似ているでしょう。だとしたらあの美人さんがアズールさん、ですか…。)
アズール
アズール
で、初めまして。僕はフロイドの友人…いや、友人という表現はやはりしっくりきませんね。まぁ、フロイドとよく一緒にいる奴だとでも思っておいてください。アズール・アーシェングロットです。
アズール
アズール
あぁ、後オクタヴィネル寮の寮長をやらせていただいています。よろしくお願いしますね。
ジェイド
ジェイド
初めまして、僕はジェイド・リーチ。フロイドの双子の兄弟です。オクタヴィネル寮の副寮長です。どうぞよろしくお願いいたします。
フロイド
フロイド
あ~、オレはフロイド・リーチねぇ。ジェイドの片割れ。よろしくぅ、ん~っと…小エビちゃん。
(なまえ)
あなた
(えっ…小エビ?何ですかそれ僕の身長が低いの馬鹿にしてます?結構気にしてるんですよ??)
3人に自己紹介されたあなたはとりあえず自分の痛い所を容赦なく突いてきたフロイドに軽くキレ、そしてこれは僕も名乗れという事なのでしょうか…と考える。
アズール
アズール
それで、あなたは何というお名前で?
(なまえ)
あなた
(あやっぱりそうきますよね…。どうしましょう、とりあえずアズールさんとジェイドさん顔は良いけど胡散臭いから名乗りたくないんですけど…。)
あなたは割と失礼な印象を抱きながら、さてどうしたものかと考える。
そして、かなりひどい作戦────いや、作戦とも呼べないものを思い付いた。
(なまえ)
あなた
あ~じゃあ、もうシュリンプ君でいいですよハイ。
フロイド
フロイド
いや適当すぎだろ。小エビから取った感じ?
(なまえ)
あなた
それ以外一体何があるんですか全く…。というかあなたも人の事言えませんよね?
フロイド
フロイド
え?何の事?
(なまえ)
あなた
じゃあリーチってどういうスペルですか?
フロイド
フロイド
んぇ?L・e・e・c・hだけど?
(なまえ)
あなた
ほらやっぱりそのリーチじゃないですか!
誰があなた相手に名乗りますか高利貸しLeechさん!
あなたが半ばからかうようにそう言い、フロイドが激昂し冷静さを失った所で軽く砂埃を巻き上げ目くらましでもしてからテレポートでもしようと逃げる算段を立てていたら、次に口を開いたのはフロイドではなく、アズールだった。
アズール
アズール
おやおや、それをあなたが言いますか?偽名Aliasさん?
(なまえ)
あなた
あれっ、それって…。
(なまえ)
あなた
(僕が闇の鏡の前で使ったクソ雑偽名じゃないですか…。何でこの人が知って…?)
闇の鏡の前で名乗って以来名乗った記憶の無い、あなた本人すらよく覚えていなかった名前を言われ、あなたは首を傾げる。
が、アズールの自己紹介を思い出し、あぁそういう事かと納得する。
(なまえ)
あなた
あ~…。寮長だから入学式で聞いたんですね。
アズール
アズール
えぇ、そういう事ですから、諦めて本名を名乗ってください。どうせあなたというのも偽名でしょう?
えっそれは紛れもない本名なんですが?とあなたは思ったが、そう勘違いしてもらえるのは好都合だろうと思い、訂正はしない事にした。
だがもちろん肯定もしない。あなたはただ黙っている。
ジェイド
ジェイド
…どうします、アズール。“あれ”を使いますか?
アズール
アズール
う~ん…いいえ、軽く“お話”するだけで大丈夫です。ここでお前の貴重な“それ”を使いたくはない。
ジェイド
ジェイド
分かりました。では…。
そう言いながら、ジェイドはあなたの方に近づいてくる。
しかし、あなたが動く気配はない。
さすがにおかしいのでは…?と3人が思い、あなたの反応を窺おうと意識をあなたに向けた瞬間、あなたは待ってましたと言わんばかりに口を開く。
(なまえ)
あなた
風よ、大地を吹き荒らせ!“旋風トルネード”!
あなたがそう唱えた瞬間、あなたを中心として突風が吹き、周囲の砂や枯れ葉を巻き上げた。
それらが目に入らないように、と反射的に3人が目を閉じたのを確認し、あなたは準備していたもう1つの術式を発動する。
(なまえ)
あなた
(よし、今の隙に……“瞬間移動テレポート”。)
ふわりと自分の身体が浮いた心地がし、あなたはそれに身を委ねそっと目を閉じた。




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フロイド
フロイド
…ってまたアイツどっか行ったじゃん!!
ジェイド
ジェイド
魔法で目くらましをした隙に…。
アズール
アズール
…というか、どうやって移動したんですか、あの人は。
ジェイド
ジェイド
……テレポート、とかでしょうか…。
アズール
アズール
ジェイド、それ正気で言ってます?テレポートなんて、普通の魔導士に使えるものじゃあありませんよ?
フロイド
フロイド
え~でもこの状態から逃げんだったらそれ一択じゃね?まぁ、使えたら、の話だけど。
アズール
アズール
ますます何者なのか分からなくなってきました…。
闇の鏡の前では堂々と偽名を名乗り、そして魔力がないと診断されたにも関わらず高度な魔法を用い…。
ジェイド
ジェイド
ねぇアズール。僕も気になってきました。あなたさんが何者なのか。
フロイド
フロイド
じゃーあー、皆で協力して調べようよ。目的一致してっし。
アズール
アズール
そうですね…。では、フロイドの言う通り、3人で手分けして調べますか。








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皆さんこんにちは、絶賛期末テスト中のカイです。
勉強しろって?そんな悲しい事言うなよ…()
今日音楽と理科と技家のテストで頭使ったしいいじゃないですか…。
それより、ようやくオクタの3人とあなたが絡みましたね。いやぁ、長かった(それ主にお前のせい)。
今はまだ恋愛要素ありませんけど、これから進んでいきますんで、多分。ハイ。
ところで皆さん知ってました?双子の名字の“Leech”って英語でヒル(血を吸うヤツ)って意味があって、そこから転じてヒルのような人、高利貸しっていう意味もあるんですよ。高利貸しってあれですよ、法外な金利で金を貸し付けるヤツ。いわゆる闇金ですよ。違うかもしれんけど←
これ辞書で見た瞬間「あぁ~!なるほど、だからあいつらリーチなのか!!」って思いました。
ちなみにあなたの名字“Alias”(これで“エイリアス”って読みます。)も偽名って意味なんですよね。なんか辞書ペラペラしてたら見つけて「おっこれ響きいいな」って思って採用しました()
…無駄話はこれくらいにしますか。
では次の話で。

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