第19話

監督生です。先輩に問い詰められます。
395
2022/04/14 12:29
──それは、あの思い出すだけでしかめっ面になってしまうような出来事から数日経った日の事だった。
アズール
アズール
これは…この前の時の売上ですね…。
ラウンジの帳簿を見返し新キャンペーンを考えていたアズールの目にそれが留まる。
それはあなたに乗せられメイド服を着て給仕をした日の売上で、その週の平均と比べて売上が大きく高いのが分かる。
アズール
アズール
…いやでもあれだけはもう二度とやりません。例えこれだけの売上が出たとしても…っ。
そう考えていたら、ふとある事を思い出した。
アズール
アズール
そういえば、僕達にあの服を着せる時…あなたさんは魔法を使いました、よね?
アズール
アズール
でも…よく考えたら…。
アズール
アズール
あの時も…ショートキャストだったような…。
アズールは今まで封印していた記憶を羞恥を堪えながら掘り起こし、見返していく。
すると、アズールにとっては衝撃的な事実が明らかになった。
アズール
アズール
これは…。






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フロイド
フロイド
アズールぅ!小エビちゃん連れてきたよー!
アズール
アズール
ご苦労様です、フロイド。
(なまえ)
あなた
…………。
(なまえ)
あなた
…僕に何か御用でしょうか…。
ジェイド
ジェイド
おやおや。そんなに嫌な顔をしなくてもいいじゃあないですか。
ジェイド
ジェイド
もしかして、僕達よりもあの1年生の方が大事だとでも言うのですか?
ジェイドに言葉にあなたは頷いてやりたかったが、そうしたらあの2人が酷い目に遭うであろう事は容易に想像できたので止めた。
アズール
アズール
ジェイド、落ち着きなさい。
アズール
アズール
…さて、あなたさん。あまり時間をかけていては授業に遅れてしまうので単刀直入に言いますね。
アズールの瞳がすぅと細められ、鋭い一言が投げかけられた。
アズール
アズール
…あなた、本気を出せばかなりすごい魔法が使えますよね?
(なまえ)
あなた
っ…!
図星だ、とでも言うかのようにあなたの目が大きく見開かれる。
(なまえ)
あなた
(魔法が使える事がバレてしまったのは仕方ないと思いながらも本当の実力がバレないよう気を遣っていたはずなんですが…一体どこで?)
原因を探るあなたに、アズールは少し笑みを引きつらせながら言う。
アズール
アズール
この前、僕達に、その、メイド服を着せた事がありましたよね?
(なまえ)
あなた
はぁ。
アズール
アズール
その時ですよ。
アズール
アズール
あなたさんはショートキャストで僕達3人分の、しかもかなり凝った服を創り出し、僕達の身体を操ってお客様達の前に立たせ、そしてノンキャストで拡声魔法の付与されたマイクを創り出しましたよね?これは並の魔法士に出来る事ではありません。
アズール
アズール
ねぇ、あなたさん。あなたは一体何者なのですか?
アズールにそうまくし立てられ、あなたはそうですね…と視線を下げる。
(なまえ)
あなた
僕が何者か、ですか…。
(なまえ)
あなた
…そんなの、僕にも分かりませんよ。
アズール
アズール
は…っ?
ジェイド
ジェイド
えっ…?
フロイド
フロイド
小エビちゃん、それってどういう…。
ここではない、どこか遠くを見るような目であなたが小さく呟いた言葉に、3人は目を見開く。
(なまえ)
あなた
…さ。授業が始まってしまいますよ。単位を落としたくはないでしょう?早く行きましょう。
あなたはそうやって、突き放す。
これ以上踏み込んでくるな、と。
遠回りで、それでいてはっきりとした拒絶に、3人は固まってしまう。
あなたはそんな彼らを寂しさの宿る瞳で見つめ、そしてふいと視線を逸らし校舎へ向かった。
*      *      *
どうもカイです!後書き雑ですみません時間が無いんです()
何か思ったより闇が深くなったんですが…?もうちょい後でいいのにこういうのは…()
次はほのぼので行きます!
ではまたっ。バイバイッ。

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