(taiga side)
??「………、とさん。京本さん!!」
そう揺さぶられて、俺は目を開けると、一面白の天井、ふかふかのベッド、ラベンダーの匂い……
ん!???
バッと起き上がり、あたりを見合わすと、今まで生きてきた日常とはかけはなられた、いわば王室のような部屋であった。
驚きを隠せないでいると、「あの……」とさっき俺を起こしてくれたであろう人の存在に気づく。
大「あっ、え??ここは……」
そう言うと、
??「ここは、北斗様が京本様のために準備された京本様専用の部屋でございます。」
はっ!??なんと!??
大「ちょっと、まって……、は?どういうこと??そして、あなたは??」
??「は!名乗るのを忘れておりました!私、ジェシーと申します。この松村家に仕えている執事でございまして、本日付で、京本様専用の執事として配属されました。」
情報過多とはこういうことを言うのか。
目をキョロキョロさせていると、
ジェ「あと一時間ほどで、北斗様がお仕事から帰られ、京本様の件について詳しい説明があると思います。ですから!!」
そう言うと、俺の背中を押しながら、
ジェ「きれいなお姿をお見せするためにも、お体をきれいにいたしましょう!!!!」
半ば強制的にお風呂に連れて行かれ、
大「え?ちょっ!!うわ!!!」
ゴシゴシと磨かれ、つるんつるんとなった俺。
その後、濡れた髪の上にトリートメントをし、髪を乾かし、フェイスマスク、全身にボディクリームをマッサージしながら塗り込まれた。
ジェ「では、こちらの服にお着替えください。まもなく、北斗様がご帰宅されます!」
と、襟元には「RAF SIMONS」と書かれたいかにも高級そうなセットアップを渡され、着るとすぐに、
ジェ「では!!北斗様をお迎えいたしましょう!!!」
と息つく間もなく、俺は一階の玄関に連れて行かれた。
数分後、、、
ガチャッ
二人がかりで開けられた扉の向こうからやってきたのは、
昨日、俺の唇にキスをした、無表情の彼であった。
俺は、ジェシーにどんと背中を押され、彼の前に出されると、
??「ようこそ。松村家へ。俺は、STグループ御曹司の松村北斗。今日から君は俺のペットになってもらう。」
と衝撃的な発言をされた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!