(taiga side)
シャッ
大「…………んん。」
カーテンが開く音で目が覚める。
意識が定かになっていくにつれ、昨日のあの行為を思い出し、
大「っ………」
あそこがぬるっとしてる感じがする。
あれ、北斗さんは??
辺りを見合わしても見当たらない。
そんな俺の心情を読み取ったのか
ジェ「北斗様でしたら、お仕事に出かけられましたよ。」
昨日あんな時間までヤッてたのに??
慣れてるんだなぁ、なんかやだな
そう思ってしまった。
そういえば、北斗さん、俺に
北『そばにいる仕事』
と言ってたけど、なんなんだろう??
そう思ったので、ジェシーに聞いてみた。
そう言うと太陽のような笑顔をこちらに向け、
ジェ「ジェシー“さん」
大「あの〜、ジェシー“さん”じゃなくて、ジェシーって呼んで!!!俺も大我って読んでいい??」
そう言われたので、
大「うん!!!うれしい〜!!!」
と笑うと、ジェシーの顔が赤くなった
なんだろう、風邪??
そう思って、ジェシーの額に手を当てた。
大「顔赤いよ??大丈夫??」
そう言うと、少しだけお互い見つめあったが、
ジェ「え〜???そう??暖房のせいかなぁ??で、ごめん!!さっきなんか聞きたいことあるっぽかったけど!!」
と言われて、本題を思い出す!!!
大「あ!!そうそう!!北斗さんがいってた『そばにいる仕事』ってさ、秘書だと思うんだけど、何をやればいいの??」
そう聞くと、ジェシーがニヤリと笑って、
ジェ「ちょっと待ってて!!!」
と言われた。
何だこの嫌な予感。
5分も経たないうちに、戻ってきたと思うと、
大「えっ………」
俺の目の前には大量の参考書と資料
ジェ「今日からみっちり秘書のことについて叩き込むので、頑張ってついてきてね!!!」
と握りこぶしをぐっとして元気づけてきた。
あぁ、俺のライフ終わったな
そう思った瞬間でもあった。
たしかに俺は、中学生からここまで勉強をしておらず、知識がない。
一部、記憶が欠如している部分もある。恐らく、昔から父親が母にDVをしていて、脳が萎縮してしまったのが原因らしいが…。
松村財閥グループ「ST」は、B to B
要するに、対個人ではなく、企業に対して、コンサルティングをしたり、情報を提供するお仕事をしている会社だ。
だから、ビジネスマナーや専門用語、パソコンスキル、英会話など、秘書には幅広い教養が必要だ。
意味のわからない単語をひたすら詰め込まれ、
ジェ「じゃ、今日はここまで。」
終わる頃には、頭の上から魂が出ていくかのような、そんな感じになってしまった。
大「つ、づかれだ〜〜〜〜よよ〜〜〜〜わ〜」
近くのソファに倒れ込む
働くってこんな大変なんだな。
でも、体をうるんじゃなくて、将来のことを考えてながら、勉強がお給料をもらいながらできるのは、大変ありがたいことだ。
寝ているところに、影がかかる。
ほっぺたになにか感触が一瞬あり、去っていった。
大「ジェシー???」
その行為の意味を俺はまだ知らなかった。
その様子を誰かが見ていたのも………。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。