(樹 side)
女「樹くん次いつ来てくれる?」
そう甘ったるい声で話しかけられた俺は、このなんとも言えない気持ち悪い気持ちを抑えながら
樹「もう行かないよ。じゃ。」
誰がお前なんかと。
俺には、大きな仕事が入ったんだ。
北斗の秘書、「京本大我」にハニートラップを伝授すること。
性別は男。
最初はふざけんな、俺は女以外とはしたくねぇと思ったんだけど、
大「京本大我です…。樹さんよろしくおねがいします。」
一般より高い声、白い肌、整った顔。
こいつは化ける。
そして、北斗が気に入る理由がわかる。
その容姿に、俺は胸を高鳴らせた。
こんなの何年ぶり、いや、今までのは疑似恋愛。
俺の方から大我くんの元へと歩き、握手をかわしたその姿を見た北斗の顔を見て
〘あぁ、あいつも大我くんのこと好きなんだ。〙
人が好きなものは手に入れたくなる性格の俺は、大我くんを落とすのと同時に、
北斗へ復讐してやることを決めた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!