(hkt side)
久しぶりに家に戻ってくると、
一番会いたい大我の姿はなかった。
樹が、なにか言いたげな顔をしているのをよそ目に、大我の部屋に向かう。
扉を開こうとすると、
ガッ
鍵が閉められていて、中に入れなくなっていた。
樹「ごめん、北斗。俺のせいなんだ。」
「何?俺のせいって。お前なんかしたのか大我に。」
その質問に、一番聞きたくない言葉が返ってきた
樹「抱いた」
カーっと血が登るのがわかる。
今すぐにでも、殴ってやりたい。
でも、樹をここに連れてきて教育してくれと頼んだのは俺だ。
樹「バツでもなんでも受けるから、大我を暗闇から救い出してあげて」
それだけいうと、ポンと俺の肩を叩き、出ていった。
その直後だった。
ガチャン!!!!
何かが割れると音とともに、
ドサッ
大きななにかが倒れる音がした。
その音に、樹も思わずかけより、
「樹、カギ。」
それだけ伝え、持ってきた鍵で、部屋に入ると
ムワッと普段嗅ぐことはない匂いとともに、
地面に赤い何かが見える。
それを辿っていくと、
そこには、
手首から血を出し、顔を真っ青にして、やせ細った大我の姿があった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!
転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。