(北斗side)
近頃、ジェシーと大我の距離が近い。
最初は、愛を知らない大我に、自分と同じ境遇だったジェシーが情をわかせたのかと、そう思って、いや、思い聞かせていた。
しかし、俺は見てしまったんだ。
ジェシーが、大我の頬にキスをしていたことを……
ジェシーはアメリカ生まれだし、挨拶代わり…
いやいや、何年日本にいると思ってんだ。ほぼ、5歳からなんえ、日本人だろ。
ということは、大我のことを「好き」になった
そう考えたほうが筋が通る。
しかも、ジェシーは普段からニコニコと人懐っこいと思われがちだが、意外と人のことをよく見ていて、信用ならない人とはある一定の距離を保つように、そう接していたはずだ。
大我は人を恋に落とさせる、魔の魅力を持っている。
これから、秘書として隣にたち、色んな会社の人と出会うことになる。
あ〜、頭が痛い。
そうあれこれ考えていたところに、
バン。
中からジェシーが出てきた。
俺の姿を見つけると、いつものように一礼をし、自室へ戻っていった。
あぁ、負けてられない。
まずは、ジェシーがキスしたところを消毒しなくては………。
酒も少し入っていた俺は、衝動的に大河の部屋へと入っていった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。