____助けて。
__助けて。
誰か助けて!!
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その瞬間玄関の呼出音が部屋に響いた。
ドアの向こうが宅配便だろうがお隣さんでもなんでもいい。
私の苦しい気持ちがなぜか伝わった気がして安心した。
もうこんな所嫌……。逃げ出したい。またあのシェアハウスに戻りたい。もし戻れたら暖かいご飯を食べて寝て話して、ポッキーくんとシェアハウスの皆で笑い合いた・・・。
自分が何かも分からなくなってしまったような気分に浸っていたその時、何度も私の名前を呼ばれている気がした。
「 誰…… ? 」
小豆……? なんで…?
小豆とみやゆうさんはそう言って、玄関にいるポッキーくんをお構い無しに走って私のいるリビングに入ってきた。
小豆……みやゆうさん………ありがと・・・・__
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ポッキーくんに突き飛ばされたせいでどこかを打ったのか、痛そうにしながら小豆はポッキーに言った。
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この時私は、
恋愛はどちらかを捨てなければ幸せになれないことを知った。
恋愛とはなんて残酷なんだろう。
そして、恋愛をしてしまった自分もきっと残酷な人間なんだろう。
残酷な人間ならそれなりになりきってやろう。
全てに残酷で最高な選択を____。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。
登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。