第4話

#4 ピアノ
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2019/05/21 11:47
隼人
さ、朝ごはん食べよ!
黒崎
おう。
you
うん。
三人は少々の不安と、これからの希望を胸に、朝ごはんを食べた。
you
てか、隼人ってなんで料理できんの?
隼人
あ、俺、調理師の専門学校いってたんだよ。実家がレストランで。
you
へー。じゃあ黒崎と隼人はいつ出会ったの?
黒崎
あー、隼人は元々ネッ友。俺が元々ラップやってて、隼人がネット上にラップ動画上げてんの見て仲良くなった。
you
ふーん、なんでラップ?
黒崎
俺は、中三の時にB-blacksっていうラッパーの人をはじめて聞いてなんか惹かれたんだよ。
隼人
俺もB-blacks!テレビで見たんだ。
you
へー
※B-blacksとは架空のアーティストです。
黒崎
あなたはなんか好きなものとかないの?
you
んー、、ピアノ?
隼人
ピアノ?
you
うん、昔からずっとピアノやってたんだよ。これでも昔は天才少女って言われてテレビとか出てたんだけど(笑)
黒崎
へーピアノねぇ、、。
黒崎はあることを思いつき、自分の部屋に隼人を呼んだ。
隼人
話ってなに?
黒崎
あいつ、ピアノ好きって言ってたじゃん。
隼人
うん。
黒崎
そんで、ピアノ買おうかなと思って、
隼人
え、ピアノっていくらするか知ってる?!てか、ピアノて言っても一杯あるんだよ?
隼人
アップライトやグランドピアノ、中古か新品、他にもサイズとかメーカーによって全然音色が違うし。値段だって全然変わってくる。
黒崎
へー。てか、なんでお前そんな知ってんの?
隼人
あ、姉ちゃんピアニストなんだよ。知らない?田辺真由美って。
黒崎
え!田辺真由美ってお前の姉ちゃんだったの?!
隼人
そうだよ。
黒崎
え、やっば。
黒崎
じゃあ、どのメーカーのどのサイズのどのピアノがいいか選んでくんね?
隼人は丁寧に黒崎に説明しながら、よく話し合って決めた。
黒崎
100万かぁ、まぁあなたの為だしいいか。
1ヶ月後
you
え、なんで今日こんな部屋きれいなの、
隼人
ちょっとねぇ、大きな大きなものが届くからね。
ピンポーン
隼人
あ、来た。
you
え?
ピアノを部屋へ運び終えた。
you
うそ、買ったの?
隼人
優男黒崎くんが買ってくれましたよ!
you
わぁ、ホントにピアノだ、、。
あなたは目を輝かせながら、一曲披露してくれた。
あなたが弾いた曲は、ショパン/ノクターン op.9-2だった。

優雅で甘美な音色、旋律に黒崎と隼人は一瞬にして心を奪われた。
隼人
あなたってこんな顔するんだ、、。
隼人は誰にも聞こえないくらいの小さな声でそう言った。
優しくて、繊細で、、。
今までにあなたの人生とは考えられないくらい暖かい、幸せそうな顔

本当に美しかった。
you
こんなに良いピアノにしなくて良かったのに、、。
隼人
いいの。まぁあなたが家に来たお祝いとでも思っててよ。
黒崎
ねぇ今の曲なんていうやつ?
you
ショパンのノクターンop.9-2ってやつ。
黒崎
へぇ。
隼人
今度、俺の姉ちゃんにレッスンしてもらいなよ!
you
隼人の姉ちゃん?
隼人
あ、ピアニストなんだ。田辺真由美っていう。
you
え、うそ。田辺真由美ってお前の姉ちゃんだったの?!
隼人
あ、うん。
you
え、やっば。

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