は?
俺、なんでこんな事思ってんだ?
相手は15歳だぞ?中3だぞ?
いや、それに、黒崎くんだって25だぞ?
あなたちゃんの事、女として見てるわけないじゃん!
どうしたんだよ、俺、。
大木は自分にそう言い聞かせた。
黒崎は大木から毛布を受け取り、あなたにそっと毛布をかけた。
大木は黒崎の後を追うようにリビングへ戻った。
その後、皆でトランプをして気づけばもう、日が暮れようとしていた。
あなたが目覚めてキッチンで水を飲んでいた。
当たり前の様に何気ない暖かい言葉を交わしながら彼らは笑いあっていた。
その姿を見て、あなたはなんだか少し心の鎖が解けたような気がした。
それから山本は近所のスーパーへ出かけた。
薄暗い夜道を歩きながら山本はふと思った。
翔也、今日変だ。
さっきからボーっとしてて他人の話聞いてないし、 ため息ばっかりしてるし。
もしかして恋でもしたか?(笑)
んなわけないか。この間彼女と別れたばっかだし。
そんなことを考えながら歩いているともうスーパーは目の前だった。
ハンバーグかぁ。
ひき肉、ひき肉、。
うわ、最悪。売り切れてる。不運すぎ。
どうしよ。
寿司でいいか。寿司にしよ。
山本は寿司を買い、もう真っ暗になった道を行きと同じようにぼんやりと歩いた。
あぁ、俺も会いたいや。母ちゃんに。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。