第27話

🌖
2,943
2020/07/19 21:32





末澤side

最近、あなたちゃんに内緒でバイトを
始めたんや、
コンビニのバイト。
あなたちゃんにバレないように昼間のシフトで
あなたちゃんが帰ってくる前に家に帰る。

「 末澤くん、今日30分だけ長くいてもらっても
大丈夫?」

でも、今日は違った。

どうやらいつも自分の後に入る子が
熱を出してしまい来れないらしい…
まあでも30分だけなら、と承諾。

人が途絶えた隙に、外のゴミ箱のごみ捨て。
重い…、

ああ、雷がなってるみたいだな、
雨も強くなってくるんかなあ。

そんなことを考えていたら30分経ってて
俺は歩いて家に帰る。

今日は初の給料日。

初任給の使い道はもう決めていた。

末「 あなたちゃんの好きなケーキ、」

近くのスーパーに売っている2つ入りのケーキが
大好きなあなたちゃん。

喜んでくれる顔が目に浮かぶ。
はよ帰りたい!!

レジに並ぼうとお惣菜コーナーを曲がると
今1番会いたい人。

思わず名前を呼ぼうとして、ハッとした。

『 正門、幼稚園でいじめられてよく泣いてた笑 』

正門。ああ、正門。

あれ、俺は勘違いしてたんか、
よく考えたら付き合ってるのかも微妙。
あなたちゃんが俺の事好きなのかも微妙。
俺のことなんてただの居候としか思ってないの
かもしれない。

しばらく呆然と立ち尽くして、気がついた時には
もう2人はいなかった。

とりあえずケーキだけ買って、また帰路につく。

部屋の明かりはもう着いていた。

末「 ただいま 」

『 誠也くん、どこ行ってたの 』

末「 ん?ちょっとね、」

『 あ、さっきそこのコンビニにいた? 』

末「 …え、なんで知ってるん 」

『 さっきね、帰ってくる時見たの
そっくりだなあと思って、
やっぱり誠也くんやったやねぇ 』

妙に上機嫌でキッチンに立つあなたちゃん。

不意に正門と楽しそうに話している光景が浮かぶ。

そんなこと忘れようと頭を振って
家に入る。

末「 あなたちゃんこれ、」

『 ん? 』

帰りに買ったケーキ。

『 あ、これ! 』

あなたちゃんはみるみる笑顔になっていく。

『 誠也くんが買ったん? 』

末「 うん、俺、バイト始めてん 」

『 え、バイト? 』

末「 一緒に住んでるのに、生活費とかなにも
払えないのはダメやと思って… 」

『 そんなん、考えてたん、』

あなたちゃんはすぐケーキ2つともお皿に出して
テーブルに運んでくる。

末「 今月はちょっと少なかったけど、
来月からはちゃんと俺も払えるように
頑張るから 」

『 あり、がとう、』





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