第26話

🌖
2,892
2020/07/12 21:34





赤信号で車が止まってふと窓の外をみる。

当分止みそうにない雨の向こうのコンビニに
見覚えのある金髪がみえた。

『 あ、』

1度出てきたのにまた中に入ってしまった。
何を買いに来たんだろう、
ていうかお金はどこから?

そんなことを考えてるうちに信号が変わり
車はまた走り出した。

次第に雨は強くなっていき、遠くで雷が
鳴り出した。

正「 みて、ワイパーめっちゃ早い笑 」

『 ほんとだ、笑 』

正「 あ、ちょっとだけスーパーよっていい? 」

『 ええよ、』

正「 あなたもいく? 」

『 私は特に買うものないし… 』

その時だった、
空がピカっと明るくなり
光ってからそんなに経たないうちに
ゴロゴロ…と鳴った。

『 私もいく、』

1人で車に残っているのは無理そう。

『 正門は雷平気? 』

正「 俺?別になんともないかな、
光ったら、おっ、とはなるけど 」

『 すご、』

雷大嫌いな私からしてみたら
雷平気な人は尊敬の念に値する。

正「 怖かったらくっついとき、笑 」

雷ばかりは1人で耐えられないので
素直にくっついてる事にした。

正「 あなたて、こんな小さかったけ?笑 」

『 ちっちゃい頃は私の方が高かったし 』

正「 小学校までやろ?笑 」

『 いうて正門も伸びてへんやん 』

正「 うるさいなあ、高校で伸びるはずやってん 」

正門と私。同期であり幼馴染。
幼稚園からずっと一緒。

『 正門、幼稚園でいじめられてよく泣いてた笑 』

正「 そんな前のこと覚えてへん笑 」

『 嘘つけ、』

正「 あなたの初めての彼氏、俺知ってるで 」

『 え、言ってへんやん、』

正「 学校中で噂やったからなあ笑
美男美女や、ゆうて 」

『 やめてその話、思い出す 』

正「 ごめんごめん笑 」

そんな思い出話しながらお惣菜コーナーを
徘徊する。

『 正門、料理せえへんの? 』

正「 普段はせんな、時間無いもん 」

『 ふーん、』

__________

正「 よし、帰ろか 」

外に出るとまだしっかりと雨は降っていて
雷はさっきよりも近くなっていた。

『 まだ鳴ってる… 』

正「 はよ家帰ろな 」

正門は私にとって同い年のお兄ちゃんみたい。
ちょっとほわほわしてるとこもあるけど
しっかりしてるし、頼りになる。

そんなことを考えていたら
案の定、いつの間にか睡魔には負けていた。




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