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食パンが焼ける間に昨日の原稿の
書き直しをしようとパソコンを開いた。

あのクソ上司のせいで、とか思いながら
自分の書いた原稿を読み返す。
ダメ出しはするくせにどこがダメかとか
改善する方法とかを教えてくれないから
自分で発見するしかない。


いつもこうやってパソコンとのにらめっこしては
文字を打つ。消しては打つ。の繰り返し。
それで一日暮れていくこともある。
そんなことも知らずにあの上司は０に
戻してくるから腹が立つ。

「 眉間にシワめっちゃ寄ってるで？ 」

『 そう？ 』

「 うん、怖い顔なってる。」

『 じゃあ向こう向いとき、』

「 嫌や、」

『 じゃあ見とったらええやん、』

「 笑った顔が見たい、」

『 いつでも笑ってる訳ちゃうから、』

「 そうなん？ 」

『 そう、』

「 なんでこれには怖い顔するん？ 」

『 こいつも怖いからかなあ 』

「 これ怖いん？ 」

『 怖いで~ 』

なんてまるで5歳の子に話しかけてるような
会話。

『 てかパソコン知らんの？ 』

「 知っとるよ。」

『 じゃあなんでそんなこと聞くん 』

「 めっちゃ怖い顔してたから 」

『 じゃあ誠也くん笑顔にして？ 』

「 俺が？ 」

ちょうど ﾁﾝｯ という食パンの焼ける音がした。

「 焼けたっ!! 」

食パンが焼けただけなのに子供みたいな
反応をしてる誠也くんをみて、
思わず笑ってしまう。

「 あ、笑った、笑 」

『 笑顔になれました、ありがとう笑
    食べよか、ジャム 苺がいい？ブルーベリー？ 』

「 いちご!! 」

『 どーぞ、笑 』

「 朝からいちご食べれるとかほんま天国やん、 」

『 そんなに？ 笑 』

「 うん!! 」



ああ、こんなに賑やかな朝食はいつぶりだろ。



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