第5話

🌓
4,296
2020/04/14 08:56



morning 🌞


『 ん… 』

カーテンからさす朝日の光で目が覚めた。
そうか、今日は土曜日。

とはいえ、編集部の仕事は休みの日にも
持ち込まれる。

やるかあ、とベッドの上で伸びをした。

ふと横を見ると、同じく朝日を浴びながら
気持ちよさそうに寝ている彼を見る。

金色の毛が太陽に照らされてキラキラしてる、
こんなに金髪なのに髪の毛は傷んでない。

前に誰かに飼われてたのかな、なんて
考えてみたりして。関係ないか、と我に帰れば

お腹が空いてきて、朝ごはんを作ろうと
立ち上がった。


___________


キッチンに立って、冷蔵庫の中身を確認する。
あ、昨日夜ご飯食べてないんだ。

トーストでいっか、なんて思いながら
食パンを2枚だしてトースターに放り込む。

あ、でもドッグフードじゃなくて
いいんだろうか。ま、いっかと温度のツマミを
捻る。

ジジジジ…と音が鳴り始めると
寝室のドアがガチャッと開いた。

『 おはよ、』

「 おはよお… 隣にあなたちゃん
おらんかったからびっくりした、
起こしてくれたら良かったのに… 」

と、目を擦りながら掠れた声でいう誠也くんが
なんだか可愛くて、くすっと笑みが零れた。

「 かわいい、」

『 え? 』

「あなたちゃんの笑った顔初めて見た、」

『 そりゃ、私も笑うよ 』

「 そっちの方がいい、」

『 そ、そう、? あ、トーストでいい? 』

「 うん、ありがと 」

寝起きでテンポの遅い会話がなんだか
心地よかった。

それに かわいい って言ってくれたのが
嬉しかった。昔から私は「しっかりしてるね」
とは言われるけど「かわいい」とは無縁だった。

そんなこともあっていつの間にか笑うのも
忘れてたのかもなあ。



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