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『 誠也くん、』

相変わらず、拗ねたまま。

『 私、誠也くんのこと、弟みたいなんて
     思ってへんよ 』

「 え、じゃあ…彼氏やと思ってるっ!? 」

『 それはないけど、』

「 なんやぁ… 」

またしゅんと戻ってしまう。

『 正門は正門のいい所。誠也くんは誠也くんのいい所があるやん、私まだちょっとしか経ってないけど、誠也くんのいい所言えるで？ 』

「 言ってみて？ 」

まるで母親にちょっと反抗してみたい子供みたいな反応。
そんなこと言ったらもっと拗ねちゃうか、笑

『 負けず嫌い。粘り強い。なんでも美味しいって食べてくれる。いつもおかえりって言ってくれる。行ってらっしゃいも言ってくれる。それから… 』

「 も、もうやめて、笑 なんか恥ずかしい、」

『 え？笑 』

「 褒められ慣れてないから、」

『 そうなんや、笑 』

「 ありがとう、沢山言ってくれて、」

『 どういたしまして、』

「 明日はあなたちゃんも行くん？ 」

『 正門に呼ばれれば行くけど、
    なんもなかったら明日は休みかな、』

「 まさかど… 」

『 呼ぶなよって思った？笑 』

「 え、なんで分かるん、」

『 顔に書いてあった、笑 』

「 え、うそ、俺書いてないで、」

『 冗談だよ、笑 でも明日はただの会議やから、多分なんも呼ばれんと思うよ？ 』

「 まさかどは信用出来ん。」

『 なにそれ笑 』

「 今日はまさかどに独り占めされてたから
    あしたは俺があなたちゃんを独り占め
    するんやもん、」

別に独り占めされてた訳じゃないけど、

『 夜ご飯まであとちょっと仕事やっちゃう 』

「 じゃあ俺横で見てよ〜っと、」





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