それからいつも通り5時に起きた私は買い物に行く
ため準備を始めた
すると物音で起きたのか、アミースがこっちにきた
そうして私は何年も使っていなかった暖炉の中に
《煙突飛行粉》を持って立った。
所謂フルーパウダーだ。
粉を足元に落とし、そういうと私の身体は緑の炎に
包まれた
目を開けると…そこはたくさんの人で溢れていた
私はどこかも分からない暖炉から出て、外に行った
まわりは見たことがない景色が広がっていて、私も
珍しくテンションが上がってしまった
まず制服を揃えようと“マダム・マルキンの洋装店”というお店に入った
すると
私は言われるがままマルキンさんについて行った
するとマルキンさんは採寸を始めた
慣れていなかったからか、なんだかくすぐったかった
それから約10分くらいで
という声が聞こえたので
と言って礼をし、お店を出た
次は教科書を揃えるため、“フローリシュ・アンド・ブロッツ書店”に向かった
2枚目の手紙に書いてある、必要な教科書の欄を眺めながら呟いた
なんてったって教科書のタイトルと著者が書いてあるのだ
当たり前かも知れないが、あまりの多さに嫌気が差す
私はニュート・スキャマンダー著の“幻の動物とその生息地”を取ろうとしたが、私の身長では届きそうで届かない位置にあったので、少し苦戦していた
私が背伸びをしていると
と、身長の高い人達が取ってくれた
アーサーさんは何か1人で呟いていたが、なんて
言っていたのか聞こえなかったため、放って置くことにした
2人もなにか話し込んでいる…と思っているとこちらに近づいてきた
『可愛い』なんて言われたことがなかった私は柄もなく赤面してしまった
ニヤニヤとした顔つきで聞いてくる2人
そうして教科書の会計を済ませ、杖のお店へと向かっているとどこからか元気な声が聞こえてきて…
その人はお母さんらしい
いいな…
モリーさんという人は私を見るとすごく笑顔で名前を聞いてきた
そうして名前を答えると
そういってまた笑顔を向けてくれた
母親というものは本来こういう存在を言うのだろうか
そういってモリーさんの後ろから出てきたのは、赤毛の小柄な男の子だった。
私と同い年くらいだろうか
そういうとロンは嬉しそうな、安心したような顔をし、「こちらこそよろしく…!」と言ってくれた
そういってモリーさん一行は行ってしまった
…しょうがない、1人で行くか
3分ほど歩くと、“オリバンダーの店”と書かれた看板を見つけた
ここか
誰もいない
留守なのかな
すると急に「いらっしゃいませ」という声がして
ビクッとした
何故私の名前を知っているのだろう…と思いながらも「こんにちは」と返すと、ニコっと微笑んで、私の
両親の話を始めた
オリバンダーさんの話を聞くと、両親はどちらも一角獣(ユニコーン)の芯できている杖だったらしい
オリバンダーさんは私の利き手の寸法を測ると、
いろいろな杖をだしてきた。
が、どれも合わず、店の中が荒れてしまった
オリバンダーさんは私の方を見て少し考えていると、ハッとしたような顔で杖を探しに行きながら言った
なんだかとても明るい顔で戻って来ると、その銀目を輝かせながら早く早くと急かしてきた
どうせ今回も…と杖を振ってみると
暖かい風がふわぁと私の体を包み込んだ
オリバンダーさんはとても目を見開き、何かボソッと呟いたあと、また微笑んで
𝐍𝐞𝐱𝐭
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。