第20話

狂おしい19日目
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2021/07/18 07:15
結局僕はあなたの元に行けないまま11歳になってしまった。一体あなたは今どこでどうしているだろうか。



そう思いながら町中を歩いていると、周りの人達が僕を見て「ああ…狂ったあの子が…。」とヒソヒソと話し始める。僕は聞こえないフリをして無視をした。



あれから僕はこの辺りの大体の人達に「狂った子供」として知られていった。あなたがいなくなってからと言うもの僕は精神的な異常を来たし始め、自分でも驚くくらいの奇行をするようになったのだ。



勿論犯罪行為はしていない、断じて。だが家では明らかに挙動不審になっていた。父さんによれば、1人でいる時はずっとあなたの名前を連呼していたらしい。



食事の時もボーッとしていて全然食べ進まないし、勉強も集中できていないし、かなりの頻度で急に過呼吸になり、吐血したこともあったらしい。



あまりにも酷いので精神科の医者にも見て貰ったけど、内科の病気は何一つ見つからなかった。ストレスではないかと言われた。



確かにストレスを抱えている。僕は今大きなストレスを抱えている!!それが何かなんて、言わなくても分かるだろう、あなたがいないことだ。



全くどうしたものか、と父さんが頭を抱えた。なんだか父さんに迷惑をかけてしまって申し訳無い。しかしあなたがすぐそばにいないことには落ち着かないんだ。



そんな矢先だった。召し使いの人が大声で「えぇーッ!?」と叫んだのは。何かまずいことでも起こったのかな…?



そう思っていると、召し使いの人がバタバタと慌てて部屋に駆け込んできた。相当焦ったのか少し汗をかいていて、肩で息をしていた。
ジョースター卿
ど、どうしたんだ、何事かね?
召し使い
き、聞いて驚かないでくださいね…。
ジョースター卿
あ、ああ…。
召し使いの人は僕の方を見て「きっとぼっちゃんは驚くかもしれませんが…あはは…。」と乾いた笑いをこぼした。



一息吸うと、勢いよく言った。
召し使い
あなたお嬢様がいらしたんです!今ここに!!
ジョナサン·ジョースター
えっ!?あなたが!?
ジョースター卿
あ、待ちなさいジョジョ!
あなたが来たと言う言葉を聞いた僕はいても立ってもいられなくなり、父さんの言葉も無視して玄関まで全速力で走った。



階段を下りてみれば、近くの椅子にちょこんと座っていたのだ、あなたが。前と変わらない可愛らしい容姿で、僕は涙が出るのが分かった。
ジョナサン·ジョースター
あなた!!
(なまえ)·クレア
あなた·クレア
あ、ジョジョ!
僕はまだあなたが立ち上がってすらいないのに、駆け寄ってその場で思いっきり抱き締めた。あなたが「わぁっ」と小さく悲鳴を上げた。



小さい頃より声が凛としている。見た目も、よく見ればどこか前より大人びているような気がする。その、恥ずかしいけど、体が全体的に女の子っぽくなっていた…。



兎に角こうしてあなたに再会できたのだ。これからはもうあんな奇行をする頻度は減るだろう。



ここで僕は気付いた、僕はずっと前からあなたのことが好きだったんだ、と。ならばあなたを僕に…惚れさせたい。あなたの恋人になって、結婚したい。



僕はこの日から「あなたと恋人になる大作戦」を実行することにした!!

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