ディオside
結局答えを得られないまま1週間経った。しかしあなたはまだ帰ってこなかった。俺もジョジョも日々可笑しくなるばかりだった。
ジョジョはまともに食事すら食べていない。何やらずっとぶつぶつ呟いている。ちょっと聞き耳を立てると、あなたの名前を連呼していた。
俺も俺で機嫌が悪い日が続いた。あなたは俺にとってちょっとした癒しのような存在でもあったのでそれが無い今、気分はとても悪かった。
ジョースター卿に聞いてもやはり答えを教えてはもらえなかった。あなたと言いジョースター卿と言い何故頑なに教えてくれないのだろうか。
脅して聞くことなんて簡単に出来るが、今そんなことをしてしまうと俺の今後の人生計画に関わってくる。間違いなくジョースター家の財産を得られなくなるだろう。
「もしかしたらもう帰っているのではなかろうか」と言う淡い期待を胸に頻繁にあなたの家に通ったが、ドアをノックしても返事が来ることは無かった。
どこに行ったんだあなたは。こんなにも俺を不安にさせやがって。ジョジョもどれだけ狂っているか、お前には想像も出来ないだろうな。
あなたが1週間いないだけでこんなんになるとは思いもしなかった。いよいよ重症だ、あなたが帰ってきたらもう思い切って告白するとしよう。
ジョジョがいつあなたに告白するのか全く見当もつかないし、実質早い者勝ちだ。こう言うのは早めにやっておいた方が良い。
そう決意しながら川原を歩いていると、頭を抱えて落ち込んでいるジョジョの横にいる女がいた。あれは確かちょっと前にあなたと一緒にいた…エリナとか言ったか。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!