第32話

狂おしい31日目
853
2021/08/29 07:25
ディオside

結局答えを得られないまま1週間経った。しかしあなたはまだ帰ってこなかった。俺もジョジョも日々可笑しくなるばかりだった。



ジョジョはまともに食事すら食べていない。何やらずっとぶつぶつ呟いている。ちょっと聞き耳を立てると、あなたの名前を連呼していた。



俺も俺で機嫌が悪い日が続いた。あなたは俺にとってちょっとした癒しのような存在でもあったのでそれが無い今、気分はとても悪かった。



ジョースター卿に聞いてもやはり答えを教えてはもらえなかった。あなたと言いジョースター卿と言い何故頑なに教えてくれないのだろうか。



脅して聞くことなんて簡単に出来るが、今そんなことをしてしまうと俺の今後の人生計画に関わってくる。間違いなくジョースター家の財産を得られなくなるだろう。



「もしかしたらもう帰っているのではなかろうか」と言う淡い期待を胸に頻繁にあなたの家に通ったが、ドアをノックしても返事が来ることは無かった。



どこに行ったんだあなたは。こんなにも俺を不安にさせやがって。ジョジョもどれだけ狂っているか、お前には想像も出来ないだろうな。



あなたが1週間いないだけでこんなんになるとは思いもしなかった。いよいよ重症だ、あなたが帰ってきたらもう思い切って告白するとしよう。



ジョジョがいつあなたに告白するのか全く見当もつかないし、実質早い者勝ちだ。こう言うのは早めにやっておいた方が良い。



そう決意しながら川原を歩いていると、頭を抱えて落ち込んでいるジョジョの横にいる女がいた。あれは確かちょっと前にあなたと一緒にいた…エリナとか言ったか。
エリナ·ペンドルトン
大丈夫ジョジョ?顔色がとても悪いわよ…?
ジョナサン·ジョースター
とても、気分が悪いよ…またあなたが僕に何も言わずに知らない場所に行ってしまったんだ、もう1週間も帰ってきてない、もう僕は生きていけないよ…。
エリナ·ペンドルトン
大丈夫よ、あなたはきっと帰ってくるわ
そう言っているエリナの顔は実に悲しげだった。そりゃそうだろう、自分の好きな人が自分の友人を想ってこんなんになってしまっているのだから。



きっと今のでアイツは「ジョジョはあなたが好きだ」と察しただろう。逆にあんなあからさまな態度をしていて気付かない方が可笑しいくらいだ。



全く面白いものである。ジョジョは今後どうなるのだろうか。とんでもない三角関係だ。俺はそう言うのがいないから助かったもんだ。



思わずクスリと笑ってから歩き出した俺はあなたへの告白の言葉を考えていた。

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