第14話

狂おしい13日目
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2021/07/11 01:55
さて、あなたに抱く感情が恋であることを知ってしまった俺は柄にもなく混乱していた。人生で1度として体験することが無い筈のものを体験してしまっているからだ。



取り敢えず今日は冷静でいられなさそうなのであなたに会いたくない。だが脳内はあなたのことばかりで、顔だけでも見たいと思ってしまう。矛盾にも程がある。



そして俺は思い出した。確かジョジョもあなたを好きであったと。よりによって恋敵がジョジョとは、運が悪すぎる。ついていない。



だが俺はジョジョごときに負けないぞ、決して。ジョジョも相当あなたを想っているようだが、あなたは俺が必ず落とす。



あなたに惚れてしまっているのなら、手に入れるのみだ。俺をこんなんにしたあなたが何者なのか知る必要がある。確実にただの馬鹿ではない、何かを秘めた恐ろしい女だ。



なんとなくあなたに会いたいと思う俺の体は屋敷の外に出ようとしていた。ジョジョの手当ては終わっているお思うし、恐らく家にでもいるのではなかろうか。



そう思って外に出て暫く歩くと、河原の方にあなたと…もう1人知らない女がいた。見た感じあなたと同い年くらいだろうか。何やら楽しそうに話している。



何を話しているのか凄く気になる。俺はさりげなくあなた達の話が聞こえる位置まで歩いた。向こうはまだ気付いていない様子だ。



すると、あなた達は丁度話題を変えたようで……
エリナ·ペンドルトン
前から思っていたのだけど、あなたは好きな人とかいないの?
!!!!



俺は思わず肩が跳ねさせた。よりによってこのタイミングでこんな話を聞いてしまうとは。あなたは一体何と答えるんだ…何と!!



あなたはうーんと考え込むような仕草。まさかいるのか?俺ではない別の誰かをあなたは想っているのか?そうだとしたら腹立たしい。



そして、肝心のあなたの答えは……
































(なまえ)·クレア
あなた·クレア
分かんない!
この一言であった。"分かんない"のか。好きな人が誰なのか"分かんない"上に恐らくあなたは恋愛的な意味の好きと言う感覚も"分かんない"のだろう。



すると、相手の女にも同じ質問を返すあなた。するとその相手の女は「いる」と答えた。
(なまえ)·クレア
あなた·クレア
え!いるの!誰誰?
エリナ·ペンドルトン
な、内緒よ…?
(なまえ)·クレア
あなた·クレア
もちろん!で、誰?
いつもの優しい笑顔で聞くあなた。あの笑顔を誰にでも向けていると思うと尚更恐ろしい。



そして、相手の女はあなたの問いに対してこう答えた。俺はそれを聞いた瞬間素直に「面白い」と思った。これは良いことが聞けた。



これも上手く利用すればきっとジョジョにまたダメージを与えられるだろう。俺はその場で小さく笑った。
エリナ·ペンドルトン
私、その…ジョジョが好きなの…。

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