第37話

狂おしい36日目
831
2021/09/11 11:11
ディオ·ブランドー
は…?
ディオ·ブランドー
僕だよ、ディオだよ
(なまえ)·クレア
あなた·クレア
うーん…ごめん、分かんない…。
俺は目の前が真っ暗になった。目覚めたと思って喜んでいたのに。やっと告白できると思っていたのに。



あなたは今、完全に俺を忘れてしまっている。見れば、頭に包帯を巻かれているではないか。何か頭に怪我をしたのか…?



認めたくなかった。切実に夢だと願ったがやはり現実だった。あなたは………記憶喪失になってしまっている。



もしやこの調子ではジョジョやスピードワゴンとやらのことも忘れているのではなかろうか。都合良く2人は覚えているだなんて話、俺は認めない。



しかし現実は残酷だった。
(なまえ)·クレア
あなた·クレア
あれっ…スピードワゴン?…と………………ジョ、ジョ…?
ジョナサン·ジョースター
ぼ、僕のこと分かるのかい!?
(なまえ)·クレア
あなた·クレア
うん…でも、お名前くらいしか…。
ジョナサン·ジョースター
それでも嬉しいよ!
そう言ってあなたに思い切り抱き付くジョジョ。「怪我人なんだぞ」とスピードワゴンに止められていた。



スピードワゴンは…産まれた時から知っていると言うし、まあ仕方がないだろう。だが何故ジョジョのことも覚えているんだ…!?



せめてそこは俺のことを覚えるか、ジョジョのことを忘れるかして欲しかった。俺1人だけ忘れられているのか!?



これでは…あなたを自分のものにするチャンスは皆無じゃあないか。また0から始めなくてはならない。なんとか何かのきっかけで思い出させたり出来ないだろうか。
ディオ·ブランドー
あなた!やっぱり思い出せないのか?前に川辺で話したじゃあないか!
(なまえ)·クレア
あなた·クレア
え…?ジョジョとなら話したことあるけど…。
ディオ·ブランドー
それに…そうだ、先月家に入れてくれたし………
(なまえ)·クレア
あなた·クレア
ジョジョを入れたことならあるけど本当に分からないの………ごめん…。
全てジョジョとの記憶でしかなかった。俺との記憶は何一つ無かった。俺は深く絶望した。柄にもなく頭の中が真っ白になった。



………いや、あなたは今はこうなっているがそのうち俺のことを思い出してくれるだろう。何かきっかけさえあれば思い出すはずだ。



仕方がない、焦りは禁物だしここはあなたが記憶を取り戻すまで気長に待ってやるしかないな。

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