第44話

狂おしい43日目
803
2021/09/26 11:58
色々と話している間にあっという間に大学に着いていた。あなたと来たらジョジョの話しかしないものだから、かなり不快だった。



別れた後は普通に授業を受けた。偶々休み時間に廊下を仲良く歩くジョジョとあなたを見た。



もうジョジョとあなたが付き合い始めて7年が経つ。2人は大学の中でも有名なカップルだ。微笑ましいと誰もが2人の恋路を応援している。



勿論その中にはジョジョに好意があるからと邪魔をする奴だって少なからず存在するわけで。あなたはいつもトラブルに巻き込まれていた。



それが今だ。ジョジョが研究室に資料を忘れたと言うのであなたが1人になっていたので、俺が話しかけようとした時だった。



何やら生意気そうな奴等にどこかに引っ張られていった。驚いた俺はそいつらに気付かれない程度に後ろから追いかけた。



そこまで人気の無い場所に連れていかれたあなたは何やら怒鳴られていた。「お前みたいな馬鹿がジョジョと付き合うな」などと滅茶苦茶な罵詈雑言を浴びせている。



コイツらはきっと、ジョジョの本性を知らないのだろう。あなたがいなくなってしまった時のジョジョの狂った姿を。そんな所を見たら引くだろうな。



アイツはあなたのこととなれば何だってする奴だ。どこまでするのか分からないから正直かなり注視している。



その時向こうの方から「あれ、あなたー?どこだい?」と誰かが呼ぶのが聞こえた。ジョジョだ。



俺の姿を見付けたジョジョは俺に駆け寄って「ごめんディオ、あなたを見てないかい?」と聞いた。俺は無言であなたが連れて行かれた場所を指差した。



ジョジョはその方向をゆっくりと向き、目を見開いた。理不尽なことを言われて傷付き、その場で泣いてしまっていたあなたを見て。
ジョナサン·ジョースター
……の…に、………な
(なまえ)·クレア
あなた·クレア
あ、ジョ、ジョジョ………
ジョナサン·ジョースター
僕のあなたに手を出すなァーッ!!!!
そう大声で怒鳴ったジョジョ。思わず耳を塞いだ。目が血走っていて、ジョジョが如何に怒っているのかを物語っていた。



それを見て血の気が引いた奴等は、あなたに謝りもせずにその場から走って逃げて行った。後でジョジョに拷問でもされそうだ。知らんが。
ジョナサン·ジョースター
逃げるな!あなたに謝れッ!
(なまえ)·クレア
あなた·クレア
あ、い、良いんだよジョジョ…来てくれてありがとう…。
ジョナサン·ジョースター
あなたは…あなたは優しすぎるよ!悪口を言ってきた人も許すなんて…!
「全くだな」と思った。前々から思っていたが、あなたは本当にお人好しすぎる。そんなところがジョジョに似ている。



そこが似ているからなのだろうな、あなたがジョジョと仲良しなのは。俺とあなたには似ている部分など無いから、どうにもならないのに嫉妬してしまった。

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