第18話

狂おしい17日目
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2021/07/17 22:38
ジョナサンside

僕にはずっと片思いしている幼馴染みのあなたと言う子がいる。彼女とは随分と長い付き合いだ。



初めて会ったのはまだ5歳くらいの時で、家族で僕達の家の近くに引っ越してきたから挨拶に行った時だった。



僕は初めてあなたを見た時、子供ながらに可愛い女の子を前にして胸を高鳴らせた。僕に似た青色の髪の毛で目は綺麗な紫色、肌はとても白かった。



あなたはとても凛としていた。僕は思わず緊張してしまい、父さんに促されて挨拶するのがやっとな位だった。あなたはそれだけ可憐だったのだ。



その後は僕からあなたの家に毎日のように遊びに行った。時にはぼくの家に呼んだりもした。兎に角あなたと一緒が良かったから。



何でなのかよく分からないけど、あなたがそばにいないとソワソワしてしまって、周りが見えなくなってしまうのだ。昔から今に至ってもそうだ。



我慢しなくてはいけないと思って我慢してきた。あなたにも迷惑をかけてしまうし父さんにも怒られてしまうから必死になって我慢していたが、会えない時間が増えた分僕はかなり辛くなってきていた。



それでもあなたと会える時間は僕にとって救いになっていた。だって、あなたが僕のすぐ傍にいるでしょ?



だがそんな幸せも長くは続かなかった。ある日いつも通りにあなたの家に行ってみたら、あなたと両親が大きな荷物を持って馬車に乗り込もうとしているではないか。
ジョナサン·ジョースター
あれっ、あなた達は…旅行に行くのかい?
(なまえ)·クレア
あなた·クレア
違うの…私達またお引っ越しすることになっちゃったの…。
ジョナサン·ジョースター
え…。
僕の前に渦巻いたのは絶望だった。あなたが…引っ越す…?と言うことはあなたに会えないと言うこと…?そんなの嫌だ…嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ!!



僕は焦っていた。何であなたは誰にも言わなかったのか。あなたからも僕に引っ越すなんて話今までしなかったし、父さんからも伝えられていない。



焦った僕は捲し立てるようにあなたに聞いた。
ジョナサン·ジョースター
どこ!!どこに引っ越すの!!
(なまえ)·クレア
あなた·クレア
ッ!!……そ、それがね、とっても遠い街で、わ、私にもよく分からない街…。
何やらもごもごしながらそう答えたあなた。そんな…あなたにもよく分からない街って……一体どこなんだ、もうここまで来るとイギリスではない別の国ではと思ってしまう。



するとあなたのお父さんが「そろそろ行かないと…。」と言ったのであなたが最後に弱々しく「そしたらバイバイ…。」と泣きながら言ったのを最後に馬車が行ってしまった。



僕はその場に呆然と立ち尽くしていた。やだ、行かないで、あなた行かないでよ、僕を一人にしないでよ…。
ジョナサン·ジョースター
あなたがいなかったら…僕はどうすれば良いの…?
酷く落ち込んだ僕はとぼとぼと家に帰った。誰よりも仲良くしていたあなたがいない日々ほどつまらない日々は無い。



明らかに落ち込んで帰った僕を見て父さんは驚愕した。この様子では父さんもあなたが引っ越すことを知らなかったのだろう。
ジョナサン·ジョースター
あなたが…引っ越しちゃった…。
ジョースター卿
えっ、クレアさん達が…そうか…寂しくなるな…(これはジョジョがまずいことになりそうだな…)
ジョナサン·ジョースター
ねえ父さん!!本当にあなた達がどこに引っ越すのか知らないの!?僕あなたと離れるのやだよ!!
ジョナサン·ジョースター
僕もあなたが引っ越す街に行く!!
ジョースター卿
落ち着けジョジョ、私は本当に何も知らないんだ、クレアさん達が引っ越すことは今ジョジョに言われて知ったんだぞ
そんな言葉も僕には何にもならなかった。もう2度とあなたに会えないと言う現実をどうしても認めたくなかったのだ。



どこかでバッタリ会う確率なんて確証もないほど少ない。それでも僕はあなたに会いたかった。今はまだ小さいけどもう少し大きくなったらどこまでも探すからね、あなた。



僕はそう固く決意した。そして気付いたらそれから6年もの歳月が経っていた。

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