ジョジョの腕の中で散々泣いたあなたは泣き疲れたのか気付いた頃にはそのままぐっすりと眠ってしまっていた。これは恐らく夜中までは起きなさそうだ。
俺達もそろそろ家に帰らなければならないし、と言うことであなたのことが心配だが一旦家に帰った。
帰ってからはあなたを心配しながらも勉強をした。今度ジョースター卿が見てくれると言うから今のうちにやっておいた方が良いだろう。
何時間か勉強した後、あなたの家にでも行こうとしたら丁度夕飯が出来たと言うから先に食べることにした。
何故かジョジョが向かいに座っていなかった。珍しく勉強に集中しているのか?はたまた自分も眠ってしまっているのか?召し使いに聞いてみれば、「出かけた」と言うじゃあないか。
全くジョジョの奴はどこに行ったんだ、と思っていたらそこに本人が帰ってきた。
は?さっき夕飯も食べたし?どう言うことだ。まさか出かけたと言うのは「あなたの家にいた」と言うことか?いつの間にあなたの家に行っていたのか?
2人で帰ってきてから俺はずっと部屋にいたから分からなかった。ただでさえジョジョには先を越されているのに、考え足りていなかった。
だがこれを機に改善すれば良い。自分もジョジョのように頻繁にあなたの家を訪れれば良いのだ。出来るだけ自分からあなたとの関わりを作りに行かなければならない。
明日からはあなたの家に出来るだけ行ってみることにしよう。まあジョジョとバッタリ遭遇する確率はかなり高いと思われるが。ジョジョもジョジョでかなりあなたの家に通い詰めているはずだ。
ジョジョが間抜けのくせして結構な強敵であることを学んだ。だが良い、どうせあなたを惚れさせるのはこのディオだし、今はある程度苦戦を強いられても問題はない。
ああ、あなたに会いたいなあ。もう夕飯も食べてしまったのから寝ているかもしれない。でもあなたに会いたい、兎に角会いたい。
そう言って渡されたのは小さな小包であった。中身は相変わらずあのクッキーらしい。それにしてもここにあなたが来ていたとは。直接会いたかったものだ。
だがこれを貰えたのは本当に喜ばしい。なんだかピリピリしていた気分が一気に落ち着いていくのが分かった。アイツはまるで精神安定剤のようだ。
そう思いながら、あなたからの小包を眺めていた。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。