第2話

狂おしい1日目
2,759
2021/07/05 06:04
早速ジョースター卿からの紹介を受けて部屋まで案内してもらうその時であった。



後ろを見れば、ジョジョが俺の鞄に手を伸ばしているではないか。俺は素早く階段を下りてその手を掴み上げた。
ディオ·ブランドー
何やってんだ、気安く僕の鞄に触るんじゃあないぜ
ジョナサン·ジョースター
運んであげようと……
ディオ·ブランドー
結構!
そう言ってジョジョの胸部を肘で突く。全く、そんな汚い手で触らないで欲しいものだ。アイツの手はダニーとやらの涎でベトベトだ、絶対触られたくない。



結局鞄は召し使いに運ばせて部屋に戻ろうとしたその時更に想定外のことが起こる。



玄関の方から聞き覚えのない女の子の声が聞こえてきた。誰だと思って振り向けば、これまたジョジョと似た青髪の少女が立っていた。
(なまえ)·クレア
あなた·クレア
あ、ジョジョはいますか~……ってジョジョ!?だ、大丈夫!?
ジョナサン·ジョースター
あ、あなた、大、丈夫だよ
(なまえ)·クレア
あなた·クレア
え、でも、苦しそう…召し使いの人、召し使いの人呼ばないと!見てもらわないと!
ジョナサン·ジョースター
ほ、本当に大丈夫だよ!?
(なまえ)·クレア
あなた·クレア
でも!でも!
ジョジョが何度も「大丈夫」と言っているのにそれに返すように「でも」の一点張りのあなたとか言うこの女。どう見ても馬鹿だ。



これだから馬鹿な奴は嫌いなんだ、見ていてムカムカしてくる。見た目はまあ…可愛らしいとは思うが、ああ言う馬鹿は嫌いだ。



まあ、最初から馴れ合うつもりも無いけどな。そう思いながら2人を無視して俺は1人部屋に行った。
ディオ·ブランドー
フンッ、間抜けは間抜け同士仲良くしてろ…。
そんな一言を呟いた。



しかし部屋に戻ってから、俺は変な気分になっていた。どうしても忘れられないのだ、あのあなたとか言う確実に馬鹿であろう女が。



何故なんだ…あんな馬鹿女、俺にとってどうでも良い筈なのに。何故こんなにも俺の脳内にこびりついてくるんだあの女は。



イライラしてきた。忘れようとしてもどうしても忘れられない。母親のことを思い出したりしてなんとか記憶を消してやろうと思ったがすぐあの女の波がやって来る。
ディオ·ブランドー
クソッ!何なんだッ!
ベッドに飛び乗ってジタバタしながら叫んだ。こんな行儀の悪いことをするなど全く俺らしくもないのだが、そうせずにはいられなかった。



結局その日1日はその女のことが忘れられなかった。別に仲良くなるつもりは全くないが逆に何者なのか気になるので明日にでもジョジョに聞いとくか。



そう決めてその日はもう寝ることにした。あんな馬鹿女、すぐにでも忘れてやるさ。

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