無料ケータイ夢小説ならプリ小説 byGMO

前の話
一覧へ
次の話

第1話

溺愛してくる幼馴染が先生に!?


 ついに明日は、初めての登校日。

 高校入学を機に、私はある目標を立てていた!

綾崎道人
綾崎道人
ほーのーみっ
東ほのみ
東ほのみ
……道人くん、勝手に部屋に入って来ないでっていつも言ってるでしょ。邪魔なんだけど
東ほのみ
東ほのみ
(急にっ!! 後ろからとか、近すぎ!!!)


 制服や荷物の準備をしていると、知らぬ間に部屋へ入ってきた道人くんが後ろから抱きしめてきた。

 引き締まった男らしい腕が私の首に優しく回され、離そうとしない。

  ド            ド
   キ   ド        キ
        キ    ド
     ド        キ
      キ   ド     ド
    ド      キ     キ
     キ

 触れている首から熱が回り、顔が沸騰しそうになる。

 恥ずかしさを誤魔化そうと反射的に道人くんのみぞおちを肘打ちするが、彼はびくともせず離れない。

綾崎道人
綾崎道人
明日の準備してるの?
ほのみの制服姿楽しみだなぁ
東ほのみ
東ほのみ
道人くんに見せるわけないでしょ
東ほのみ
東ほのみ
(楽しみって何!? ていうか、密着しすぎでやばいんだって!)


 私は耐えきれずに、またも道人くんの足を踏みつけた。

綾崎道人
綾崎道人
あ、ほのみー。それは痛いよ
東ほのみ
東ほのみ
(あぁっ! 足踏むことないのに!)
東ほのみ
東ほのみ
さっさと離れて!
ていうか、何しに来たの?
綾崎道人
綾崎道人
ほのみが好きな鈴屋のマドレーヌ買ってきたんだ。準備が終わったら一緒に食べようか


 マドレーヌの入った可愛らしい箱を手にウィンクをしている道人くんは、イケメンの無駄遣いだと思う。


 道人くんは隣の家に住む8歳年上のお兄さん。家族がらみで仲がいいため、共働きの両親に変わって小さい頃から私の世話を焼いてくれている。

 切れ長の目にパーマのかかった髪、大学でバレーをしていたから体も引き締まっていて、これぞイケメンという人だ。

 ついこの間、大学院を卒業して今年から新社会人。お母さんの話によれば大手企業に就職したとか。

 スポーツのできるイケメン秀才。

 そんな人にずっと可愛がられ続けた私は……。

東ほのみ
東ほのみ
道人くんが来たから準備終わんないかもっ
東ほのみ
東ほのみ
ねぇ、そろそろ離してくれない?
じゃないと、道人くんの愛車が明日には傷物になってるよ?
東ほのみ
東ほのみ
(あ゙ーっ! また私はっ!)
綾崎道人
綾崎道人
ははっ、天邪鬼なほのみ可愛い


 道人くんは私の後頭部にキスをして、さらにギューーッと抱きしめた。

綾崎道人
綾崎道人
じゃあお茶用意しとくから、終わったら教えて


 私を解放すると、彼はいつも通りの微笑を浮かべて部屋を出ていく。

東ほのみ
東ほのみ
(今キスした!? ていうか、あたしの馬鹿! 天邪鬼すぎっ!)


 恥ずかしくなると冷たいことを言ったり、手や足がすぐ出てしまう私は、道人くん以外の男の子にもひどい態度をとり、男友達なんて一人もいない。

 道人くんにひどい態度をとってしまう自分も嫌い。

東ほのみ
東ほのみ
けど……、大丈夫!
東ほのみ
東ほのみ
(ちゃんと準備して目標立てたんだから!)



     ガチャッ


綾崎道人
綾崎道人
あ、もう平気?
東ほのみ
東ほのみ
勝手に入らないでってば!!
東ほのみ
東ほのみ
(言い方強すぎぃー!!)


 と反省しながら、ティーカップを持っている道人くんのお腹にグーでパンチしようとしている私、……ヤバすぎ。

 しかし、道人くんは紅茶もこぼさずにスルッと交わしてご満悦な様子。

 しゃがみこんでテーブルにカップを置くと、少し上目使いで首をかしげた。

綾崎道人
綾崎道人
ごめんごめん。ほのみが好きな甘い紅茶入れてきたから、許して?
東ほのみ
東ほのみ
んー、っもう! マドレーヌちょうだい!
東ほのみ
東ほのみ
(かっこ可愛いぃーー!!)
綾崎道人
綾崎道人
はい、はい









       『次の日』







東ほのみ
東ほのみ
(昨日は結局無理だったけど……)
東ほのみ
東ほのみ
(今日からの高校デビューで天邪鬼脱却してやる!)


 一時間目から始業式が始まり、まだ見知らぬ同級生たちの中でそっと手帳の裏表紙を開く。

東ほのみ
東ほのみ
(天邪鬼脱却3カ条!)
東ほのみ
東ほのみ
(1、恥ずかしくても堪える!)
東ほのみ
東ほのみ
(2、親切にしてもらったら、
『ありがとう』!)
東ほのみ
東ほのみ
(3、とにかく笑顔!!)
東ほのみ
東ほのみ
よし!


 胸の前で小さくガッツポーズをとって気合を入れると、壇上で校長先生のあいさつが始まる。

 しかし、その言葉はあまり耳には入らず、私はこれから始まる高校生活にワクワクしていた。

司会の先生
続いて、着任する先生方の紹介です
東ほのみ
東ほのみ
(あれ? あのパーマかかってる先生、どこかで……)
司会の先生
えー、昨年度まで数学を担当していた遠藤先生が産休に入り、本年度から新しく数学の先生をお迎えしました。
綾崎先生、お願いします
綾崎道人
綾崎道人
皆さん、おはようございます。
数学を担当させていただきます、綾崎道人です
東ほのみ
東ほのみ
(道人くん!?)


 壇上に立つ彼は、家では見ないクールな雰囲気を纏い挨拶をはじめた。

東ほのみ
東ほのみ
(え!? 大手企業に就職は!? ていうか、道人くんのスーツ姿クールでかっこよすぎぃ!!)


 それまで静かだった体育館は、女子生徒たちの黄色い歓声で華やかな空気に包まれる。






 始業式も終わり、教室に帰ってからすぐ下校となった。

 廊下で新入生の誘導をしている道人くんを見つけ、私は駆け寄って袖を掴む。


東ほのみ
東ほのみ
道人くん、なんで先生になるって教えてくれなかったの? 驚いたんだけど
綾崎道人
綾崎道人
……
東ほのみ
東ほのみ
道人くん?


 彼は冷静な眼差しを私に向け、無言で廊下の角に連れていった。

東ほのみ
東ほのみ
ちょっと、なに?
綾崎道人
綾崎道人
東さん、俺と君は学校では先生と生徒。幼馴染は学校外での事だ。くん付けなんて言語道断、特別扱いはしないから。わかったら帰りなさい
東ほのみ
東ほのみ
っな! 教えてくれなかったみちとく――
綾崎道人
綾崎道人
綾崎先生。それから敬語
東ほのみ
東ほのみ
――っ! 失礼しましたっ!

 
 道人くんは終始笑うこともなく、冷たい瞳で私を見ていた。

 そんな彼をとても遠くに感じ、妙に胸が痛くなった私はその場から逃げるように走り出した。





       ド
         ン
           ッ





 前を見ずに走っていた私は誰かにぶつかってしまい、鞄を落として後ろに倒れそうになる。

 しかし、ぶつかった地味なメガネの男の子に腕を掴まれ、倒れずに済んだ。

東ほのみ
東ほのみ
あ、ごめんなさい!
???
???
大丈夫、よそ見しないように気を付けて。はい、これ落としたよ
東ほのみ
東ほのみ
あ! 手帳、ありがとう
東ほのみ
東ほのみ
(あれ? あたし、今普通にお礼言えた……)
東ほのみ
東ほのみ
……えっと、じゃあこれで!


 道人くんの事でいっぱいいっぱいだったとはいえ、お礼を普通に言えたことに驚き、私はまた走って逃げだした。


???
???
……天邪鬼脱却3カ条?