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第15話

汗と勝負とイケメン男子
梅川沙良
梅川沙良
じゃ、これから道人チームと唯月くんチームのビーチバレー試合開始♪


 梅川先生は魅惑的なボディラインを強調させるようにポージングして、審判用の旗を振る。

梅川沙良
梅川沙良
ほのみちゃん、主審お願いするわね♪
東ほのみ
東ほのみ
え、あたしですか!?
梅川沙良
梅川沙良
あなたのことでこうなってるんだからぁ、当たり前でしょ!
東ほのみ
東ほのみ
(それはそうだけど……、私は試合なんてしてほしかったわけじゃないのに)


 そんな気持ちもお構いなしに、道人くんと宮原くんはネットを挟んで睨み合う。


 部員たちは練習後だというのに、楽しそうな梅川先生に当てられて二人に声援を送っていた。

宮原唯月
宮原唯月
わざと負けたりしないでくださいよ?
先攻はあげるので
綾崎道人
綾崎道人
ここまできてそんなことしないさ。
宮原くんこそ後悔しないようにね
東ほのみ
東ほのみ
はぁ……、じゃあ綾崎先生、
ボールどうぞ


 私が道人くんにボールを手渡すと手首を掴まれ、じっと見つめられる。

綾崎道人
綾崎道人
ほのみ、さっきの話の続き、後で聞かせてくれる? 勝ったら俺の話も聞いてほしいんだ
東ほのみ
東ほのみ
……うん! が、頑張ってね!


 周りは試合のことばかりだけど、道人くんは私の気持ちを汲み取ってくれていた。


 嬉しくて、道人くんの話が気になって、勝ってほしいと思った時。




 「俺は、ほのみが好きなんだから」




 宮原くんの声が頭の中に響いた。それを掻き消すように、私は目一杯息をすって声を張る。

東ほのみ
東ほのみ
じゃ、じゃあ!! ビーチバレーはじめー!


 さらに歓声は大きくなり、ボールが空に打ちあがる。

東ほのみ
東ほのみ
(道人くんに勝ってほしい!
けど、さっきの告白っていったい。
ていうか、そもそも、
これって何の喧嘩なの!?)






 今回は二人制のビーチバレーで、ルールは簡単に3回でボールを返すこと。

 部活後で宮原くんも疲れているから、1セット取ったチームが勝ち。

 道人くんは1年のレシーバーと、宮原くんは部長とペアを組んでいる。


 宮原くんの鋭いスパイクを道人くんがうまくレシーブして打ち返す。

 けど、宮原くんは高く飛んでボールをブロックした。

東ほのみ
東ほのみ
(二人とも真剣だ……)


 得点は交互に入っていき、早くもデュースに持ち込まれた。

 二人は汗だらけになって、必死な面持ちだった。

東ほのみ
東ほのみ
(二人は、なにをそこまで頑張って……って、ん?)


 額から滴る汗が顎を伝い、張り付く髪をかき上げる道人くん。

東ほのみ
東ほのみ
(まさに汗も滴るイイ男!!
道人くん、かっこいぃー!)
梅川沙良
梅川沙良
道人ー!! かっこいいー!
梅川沙良
梅川沙良
けど、私は唯月くんに勝ってもらいたいのよねぇ♪ ほのみちゃんは?


 梅川先生は隣で得点板をめくりながら、私にだけ聞えるような小声で話しかけてきた。

東ほのみ
東ほのみ
え!?
わ、私は別にどっちかの応援なんてっ
梅川沙良
梅川沙良
あら、道人なのかと思ったけど、違ったのね? 宮原くんの告白にグッッときちゃった?
東ほのみ
東ほのみ
そ、そんな!!!!
宮原くんの告白にグッときたりなんて、ないです!!!


 慌てた私の声は砂浜中に響き渡り、部員たちの、道人くんの視線が一気にこちらを向く。

宮原唯月
宮原唯月
よそ見してていいんです、かぁっ!


 その隙をついた宮原くんは道人くんの足元にボールを叩きつける。

綾崎道人
綾崎道人
なっ!


 まさかと思い得点板を見ると、梅川先生が札をめくっていた。

東ほのみ
東ほのみ
……二点先取で、
宮原くんチームの勝ち……です


 宮原くんは部長にお礼を言うと、道人くんを見据えた。

宮原唯月
宮原唯月
もうこれで、遠慮なんてしませんから


 そう一言いうと私のもとに歩み寄り、片手を握られる。

東ほのみ
東ほのみ
(なにこの手っ!?)
宮原唯月
宮原唯月
ちゃんと見てた?
東ほのみ
東ほのみ
そりゃ、……審判だし
宮原唯月
宮原唯月
俺、かっこよかった?
東ほのみ
東ほのみ
は!? え、なに!?
どうしたの、宮原くん


 いつもみたいに余裕そうで、自信があって、何でもズバズバ言ってくる宮原くんだけど、どこも変わらないはずなのに、何か変な違和感を感じた。


 宮原くんは深呼吸をすると、優しく微笑む。





宮原唯月
宮原唯月
……ほのみ、俺と付き合おう。すぐ好きになってほしいなんて、言わないから




        え?


東ほのみ
東ほのみ
……え?
宮原唯月
宮原唯月
なに? さっきもいったけど、俺ほのみのこと好きなんだ。だから


 言葉がやっと頭まで届くと、体全体が沸騰しそうなほど熱くなった。

 世界がぐるぐると回っている。

 足元はグラグラと揺れて……そのまま――。



 目の前は真っ暗になった。

綾崎道人
綾崎道人
ほのみっ!?
宮原唯月
宮原唯月
え!? ちょっと、どうしたの!?


 ふんわりとマシュマロみたいに優しい何かが私を受け止めてくれた気がする。

 これは……――。