第2話

8月13日
71
2019/10/11 23:21
顔を上げるとずっと先まで山々が広がっていて、それよりももっともっと高く、ご機嫌な入道雲がもくもくと上がっていた。それを馬鹿みたいに口を開けて見たっけ。

右には空と同じ色をした海が広がっていたよね。テトラポットなんか置いてないからいつでも自由に飛び込めた。服が濡れたってへっちゃら。走り回ればそんなのお天道様が吸い取ってくれるから。

君は元気にしていた?

ずっと待っているのに、無視するなんて酷いじゃないか。それに、決まって夏にしか来てくれない。

人工的に育てられた花なんか僕は要らないのに。そんなもの、必要ないのに。

そうだ。野原まで行ってひまわりでも探しに行こうよ。

秘密基地にぴったりな木を見つけたよ。




·····どうして君は泣いているの?

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