街のはずれにある電話ボックスと滑り台しかない公園があるだろ?
そうそう、お前とよく待ち合わせしたとこ。
寝付けない夜にそこの前を散歩していたら、突然鳴りだしたんだ。
決まってるだろ。電話の方だよ。
滑り台が鳴るってどんな状況だよ。
まぁとりあえず変わっていないお前の馬鹿さに安心したわ。
また掛けてきてくれよな。話したいことすぐに忘れちまうから。
え?これは偶然だって?
んな事くらいわかってるさ。何年目だと思ってるんだよ。
お前が思うよりここはいい場所じゃない。くれぐれも自分でここに来ようとか考えるなよ。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!