第3話

884
2020/08/17 08:21
自己紹介の時間。


自己紹介なんて、何のためにやるんだろ…。





私は自己紹介が嫌い。

自分の特技とか好きな事とか…わかんないし
幸い今年も最後。そう思っていた。
先生
おし、じゃあジャンケンしよう。
……………………は?
あ、たまにあるやつだ。

1番と最後の人がジャンケンして…っていう
先生
じゃあ、相原と山内
先生
ジャンケンしよう
そう言われ、仕方なく私は立ち上がった。


しかし、少し経っても
相原さんは全く動く気配をみせなかった。
山内 こはな
……相、原さん?
相原さんがジャンケンをしてくれないため、

普通に番号順になった。

よかった..
クラスメイト
___________です!
どんどん順番は進み、いつの間にか

私の列の人が…………
山内 こはな
ふぅ
山植 駿介
ん?なんだお前
緊張してんのか?
山内 こはな
ううん、大丈夫
目は少し細めて……

口は歯が少し出るくらい開けて口角もあげて……


そして顔を少し傾けて………
山植 駿介
おう、そうか。
俺は緊張してきたなー
山内 こはな
山植君のあととかプレッシャーだなー
山植 駿介
なんだよ、それ
そう言うと山植君は笑った。


笑うときにできるえくぼが

愛しいというか、かわいいというか……



えくぼ、か。

また家に帰ってから______
山植 駿介
あと、駿介でいい。
山内 こはな
ん?何が?
私はまたふわっと笑いかけて……………
山植 駿介
名前の………呼び方。
その方が、いい。
山植君はそう言うと

少し下を向いて後頭部をかいた。
山植 駿介
って、何言ってんだろうな俺。
山内 こはな
??
山植 駿介
いいや、今言ったこと忘れて。
呼び方は人の自由だもんな。
山内 こはな
わかった。あ!
山内 こはな
駿介!もう出番だよ!
山植 駿介
…………!
山植 駿介
お、おう。行ってくる
"頑張れ"


そう口パクで伝えると駿介は

私に向かって親指を立ててきた。


駿介の自己紹介は予想通りの高クオリティだった。


私は前にでた。

名前や特技など、毎年定着していることを話した。

そして_____


目を少し細め、口を程よく開けて口角を上げ、


顔を少し傾けた。

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