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第6話

花鳥風月◆6
896
2019/09/16 07:20
乱数達が今向かっているのは、もちろん前に決めた、と言っても一週間前のことだが、北海道だった。

言い出しっぺは乱数。

その癖に、当日の集合時間に遅刻し、危うく飛行機に乗れないところだった。

帝統は、幻太郎の家に泊まったため、幻太郎に乱暴に起こされていた。
有栖川 帝統
有栖川 帝統
ふわあぁ~
飴村 乱数
飴村 乱数
ちょっと帝統ー
眠そうにしないでよ
僕まで眠くなるじゃん!
有栖川 帝統
有栖川 帝統
仕方ねぇだろー
朝、幻太郎に叩き起こされたんだよ
夢野 幻太郎
夢野 幻太郎
あなたが、声を掛けても全然起きる気配がないからでしょう
有栖川 帝統
有栖川 帝統
だってよー、昨日も夜まで賭場だったんだ
飴村 乱数
飴村 乱数
懲りずに良くやるねー
今度は何失ったの?
有栖川 帝統
有栖川 帝統
服とられたんだけどよ、幻太郎が取り戻してくれた!
飴村 乱数
飴村 乱数
あっはは!
幻太郎お疲れ様!
いつもの笑顔で、乱数がバシッと幻太郎の背中を叩いた。
夢野 幻太郎
夢野 幻太郎
本当、いつも世話が焼ける人ですよ......
幻太郎は、少し呆れ気味に言う。

だが、不思議と嫌な気はしなかった。
これも、帝統の言う「ダチ」というものなのだろうか。
夢野 幻太郎
夢野 幻太郎
と言うか、乱数、貴方だって遅刻したんですからね
同じですよ
飴村 乱数
飴村 乱数
えぇ~~~?
帝統と同じは酷くない?
有栖川 帝統
有栖川 帝統
おい! それどういう意味だよ!!
飛行機の中は、Fling Posseのところだけやかましいことになっていた。


北海道に着くと、乱数と帝統は一段と上機嫌になった。
飴村 乱数
飴村 乱数
着いたーー!!
有栖川 帝統
有栖川 帝統
北海道ーー!!
夢野 幻太郎
夢野 幻太郎
うるっさ......
有栖川 帝統
有栖川 帝統
なぁ幻太郎! 狐いるかな!?
夢野 幻太郎
夢野 幻太郎
さぁ、どうでしょうね
飴村 乱数
飴村 乱数
すっごーい!
北海道広いねー!!空気が澄んでる!
夢野 幻太郎
夢野 幻太郎
東京は濁ってますからね
それに、こんな風に中央区からの監視を免れるなんて、気分が良い
幻太郎は、機嫌が良くなり、ふふっと笑っている。
確かに、空気が澄んでいる。

幻太郎は、何も考えることなく過ごせるんだろうな、と考えていた。

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