第22話

独り
993
2018/03/27 15:56
《テオくんside》





テオくん
じゃ、俺編集しなきゃいけないんで、失礼します





起きてからまたすぐ寝てしまったじんたんを横目に
じんたんの父母に挨拶をする。





動画休んでもいいのに、と言ってくれるけど
俺はじんたんと約束したから。





どんな状況でも、スカイピースを続けていく。





家から病院はなかなか遠い。





昨日の夜はじんたんに付きっきりで
ろくに眠れなかったせいか
電車に揺られて瞼が重くなってくる。





でもその瞼を完全に閉じると
事故の光景が蘇ってきてしまうのだ。





寝るのは帰ってからにしよう。





その前に動画撮って、





あと、何するんだっけ?





ああ、じんたんがいないだけで俺、





こんなに生活リズム崩れちゃうんだ。





そういえばご飯もあれ以来食べていない。





空腹すら感じていないのだが。





お風呂も入らなきゃいけないな。





俺がこんなんじゃ、じんたんも心配しちゃうかな。





どうした、寺島。





お前持ち前の元気は?





1人の男に、





1人の人間に、





1人のΩに、





振り回されてどうする?





大丈夫、じんたんは必ず帰ってくるんだから。





それより俺は
じんたんが帰ってこれる環境づくりを。





家に入り、リュックを下ろす。





まだ充電が余っていたカメラを取り出し
三脚にセットした。





ろくに画面も確認せず、その前にあぐらをかく。





.




テオくん
どうも〜スカイピースっ!いぇい!

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