《☆イニ☆side》
みやが順番を確認して
みんなでパチパチと手拍子を始める。
3人で布団に潜りながら
電気を消した部屋でする早口言葉ゲーム。
テオくん曰く、このゲームの名前は
" 炙りカルビゲーム "らしい。
音に合わせて早口言葉を言うが
俺が言った言葉が違っていたらしく
テオくんに止められる。
だんだん難しくなってくる早口言葉。
その後も続くゲーム。
早口言葉が変わるごとに
誰かが必ず変な間違いをして、笑って。
その繰り返し。
笑い疲れたところでゲームが終わる。
そしてそこからまた話が展開していって
いろんな話題で盛り上がる。
やばい、
この3人、すごく楽しい。
こんなにいっぱい笑ったの、久しぶりな気がする。
急にそんな話に変わる。
確かテオくんは仕事を辞めたと聞いた。
みやは学生。
何故かその空気に飲まれて、
そう答えてしまっていた。
安心したように枕に頭を預けるテオくん。
その言葉の意味がわからなかった。
俺が就職してはいけない理由。
就職すると
何かテオくんにとって
不利益なことがあるのだろうか?
俺の頭の中ははてなでいっぱいだった。
まだ、
その時は。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!