《テオくんside》
ただ短い声を出した俺は
呆然としたままiPhoneの液晶を見続けている。
その液晶が表示していたのはみやのTwitterだった。
みやからの " スカイピース " への想いが
ただ単調に綴られているだけのツイート。
無意識だった。
というより、そこまで考えていなかった。
みやとは違う未来を目指していたと思っていて。
いや、これも全部言い訳だ。
きっと俺の本能が
無意識に " じんたんだけ " を誘ってしまった。
普段友達との関係は大事にするのに
そんなことも考えられないほどに
俺はなにかに溺れていたのだろうか。
…何に?
いや、素直になってしまえば、
きっと俺は、
Ωのじんたんに、αのみやを
近づけたくなかったんだろうと思う。
何故か、って言われたら
分からないって答えたい、答えたいけど、
もう俺の中には
曖昧で、でも確実な答えが浮かんでいる。
まだ確信はしない。
したくない。
でも、
きっと、
" そういうこと " なんだろう。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!