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第26話

ハプニング
1,333
2018/07/23 11:29
《☆イニ☆side》




☆イニ☆
疲れた〜、





家に帰って早々
そう吐き捨てて座椅子に腰掛ける俺。





外はめちゃくちゃ寒かったけど
家の中はなぜかホカホカしてるから
気温差で鼻水が出てくる。





これだから冬は大変なんだよな、





季節は12月下旬。





冬、と言ってもいいかわからないほど
地球温暖化のせいで雪などふらない。





テオくんはちょびっとだけ潔癖で
帰ってきてすぐにお風呂に向かった。





仕事は早めに終わらせとこう、と
SDカードが入ったショルダーバッグを見る。




☆イニ☆
…あれ、





そんなはずは、と思ってもう一度探す。





それでも
俺が探しているカードは見つからなかった。




☆イニ☆
…どうしよう、





ディズニーに電話するべきかな、





いや、もしかしたら家の中にあるかもしれないし。





頭の中がSDカードのことだけになって
家中を探した。





____プルルルルル、





俺のiPhoneが音を鳴らす。





相手が俺の番号を知っているわけがないのに
落し物ですよっていう電話かな、と期待してしまって
画面を確認せずに電話に出た。





だけどその相手の第一声は望んでいた声じゃなく。





またカードを探す作業に戻る。





『____もしもし、こちら藤枝様のお電話でよろしかったでしょうか?』




☆イニ☆
はい、





駄目だ、全然ない。





『____当方、○△病院のものですけれども、』




☆イニ☆
どうしました?





はやく切ってくれないかな、
そう思って急かすような口調になる。





『____定期抑制剤の処方期限が近づいておりますが、』




☆イニ☆
あ、今度取りに行くんで大丈夫です





ソファの裏を見てみても
テーブルのしたを確認しても、やっぱりない。





『____かしこまりました、では失礼します』





やっと切れた電話。





iPhoneを雑に机の上に戻した。





…やばい、本当にどこいっちゃったんだろう。





テオくんになんて言おう、





どうすればいんだろう、





未だに俺の頭の中は
焦りと心配と不安で埋め尽くされていた。

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