第7話

好奇心
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2018/02/21 14:37
《テオくんside》




テオくん
…そっか、気をつけてな、





みやとじんたんに、別れ際に言った台詞。





それは自分でも分かるほど気圧の下がった声だった。





冷えきった街をひとりで歩く。





ただの友達なのに。





いや、じんたんからしたら
もはや俺は友達ですらないかもしれないのに。





なんでこんなに辛いんだろう。





俺が寂しがり屋だから?





かまってちゃんだから?





自分にいろんな問いを投げかける。





でもそれは、どれも当てはまらなくて。





こんなふうな心のもやもやは初めてだった。





人間は" 初めて "というものが怖い生き物だ。





初めてのものには臆病になってしまう。





俺らしくない。





こんなに誰かに
感情を揺さぶられたのはいつぶりだろうか。





気になってしょうがない。





もっと知りたい。





" 藤枝 仁 "という1人の男を。





最近仕事を辞めて
縮こまっていた好奇心が溢れてくるのが分かった。




さっきまで俯いていた顔も
今ではもう既に前を向いている。





俺はとことん単純だ。





じんたんが振り向くのを待つのは面白くない。





俺が。





____俺がじんたんを振り向かせればいいんだ。

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