第37話

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2020/12/29 01:48
翔平side



「おはようございます、壱馬さん!」

『おはよう…笑』



あれ…

なんかいつもより元気ない……?




「壱馬さん、大丈夫ですか…?
体調悪いとかないですか…?」







『ふふ笑 
 翔平は優しいなぁ…
ありがとう、本当に大丈夫だよ…笑』



どうしよう…


今日の壱馬さん…なんか消えちゃいそう……


結構壱馬さんに頼ってもらえてると思ってたのに…

どうしても言えないことなのか…






ザワザワ








「えっ!嘘っ⁉︎」

「いや、ほんとらしいよ…」

「隣のクラスの吉野だろ?」

「うん…襲われたらしいんだよね…」










えっ!


北人さんが⁉︎


だ、大丈夫なのか?






「か、壱馬さん!北人さんが………」









えっ?








「な、なんでそんななきそうな顔するんですか…」







『へぇっ?





 あぁ…!なんでもないよ…笑
 泣きそうでもないし…笑』





「壱馬さん…



 次の授業、サボりませんか…?」






『えっ?なんで?』










「そうですよ!
 いつも頑張ってるんですから、少しだけ…笑
 ね?」







『じゃあ…す、少しだけ……』








「ヤッター!」



『ふふ笑
そんなに嬉しい⁉︎笑」















「あれぇ?翔平、次移動教室だよー」





「ごめん、お腹痛いから後で行くわ」









『ガッツリ嘘じゃん笑』

「まあ、いいじゃないですか笑」







「壱馬さーん」





『ん?どしたの?翔平』




「ほら、もう少し近くに来ませんか?」


『ん、行く…』












って、いや、それ近すぎでしょ笑





俺の隣の席に座って、俺に肩を頭を預けてる


ときどき聞こえてくる吐息がなんだかすごく切なくて…



思わず抱きしめてしまった













『へぇっ?』

「ワッ!ご、ごめんなさい!
 気持ち悪かったですよね!」








『ううん、ありがとう、翔平…』











このタイミングで長谷川慎ならどうするんだろう…

あいつだったらここでキスをしても許される…


でも、あいつよりいつもそばにいる俺は、抱きしめるのが精一杯…




なんで俺じゃないの…


   





こんなに近くに横顔があるのに、なんで…






『翔平、大丈夫?』

「あ、あぁ、全然笑
 ごめんなさい、あったかくて眠くなっちゃって」



『ふふ笑
それならいいけど笑』




あぁ、やっぱり壱馬さんには笑顔が似合う…

かわいいなぁ…













ガラガラガラ












?「あー!壱馬、浮気かよ笑」

だ、誰?



『なんだ…RIKUさんですか…』

『どうしたんです?』







RIKU「あー、そっちの子! 
   ちょっと壱馬借りて良い?」


「壱馬さん、誰?」



『大丈夫…行ってくるね』









壱馬さんの顔が辛そうで、いてもたってもいられず
思わず肩を掴んだ







!!!








「壱馬さん、この跡、何?」











『えっ?


あ、あぁ…

これは…………その……』




RIKU「俺が付けたんだよ笑
なんで壱馬、正直に言わないのさ」




『だ、だって…』







ガブッ









『イタッ…………

 な、何してんの?翔平…』


「………上書きです…」






RIKU「ふふ笑行くよー」









壱馬さんは、RIKUさんという人に連れられて行ってしまった

 






あの跡って……



あれだよね…






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