第17話

大好き.miya
1,015
2018/01/27 03:04
《あなたside》



『マグロって10回言って?』



私たちがやっているのは10回ゲーム。



み「マグロマグロマグロマグロマグロマグロマグロマグロマグロマグロっ」

『たらちゃんのお兄ちゃんは?』

み「…いない」



え?いなくない?と
当たり前の答えを言うみや。



『なんで引っかかってよつまんない、』



じゃあもう1問出してよ
と言われたから検索して出てきた問題を出す。



『大好きって10回言って?』

み「大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好きっ」



夢中になって言っているみや。



『ありがとう、』



私は勝ち誇ったように笑う。



だけどみやは問題の意味が分かっていないのか
きょとん、としている。



み「何それずるい、」



顔をしかめられる。



み「俺にも言ってよ」



駄々をこねる子供みたいに言う。



『そーゆー問題なのー、』



分かる?とみやに挑発するように言ってみた。



み「分かんない」



そう言ったみやに手首を掴まれ、引っ張られる。



至近距離にくる顔。



み「大好きなの?嫌いなの?」



口角が少し上がっていた。



こいつ、絶対楽しんでる。



さっきまであんなに可愛かったのに。



ちょっと対抗したくなって
嫌いだよ、と言ってみる。



み「俺は大好きだけどね」



そう言って口付けをされた。



み「まだ大好きになれないの?」



不敵な笑みを浮かべながら聞かれる。



多分このまま嫌いって言うと面倒くさくなる。



『いやっ、もう大好っ…』

み「ならもう1回やる」



さっきよりも強めの口付け。



『…したいだけでしょ、』

み「ん?」



この天然たらしめ!!!



『…好きだよっ、』



気恥ずかしくて早口になる。



み「それだけ?」

『ああもう分かった大好きっ、』



言い放つと、またにやりと笑った。



み「そんなに大好きなの?ならしてあげる」



そう言ってまた、唇を近づけた。



いつもはこんなにキスはしない。



むしろしたい時にしてくれない。



『大好きって10回言って?』



この言葉はきっと、彼を甘くする
魔法のような言葉なんだ。



私も普段、大好きって言えないけど
本当は大好きだよ、みや。



み「…ベッド、行こっか?」

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