第31話

今日だけ.jin
878
2018/02/24 16:12
《あなたside》



テ「は??意味わかんないわ」

じ「いやこっちも分かんないから」



スカイハウスに流れるのはピリピリとした空気。



普段、喧嘩しない2人が喧嘩をしている。



テ「…はぁ、」



わかりやすくため息をつくテオくん。



じんくんは集中して編集するためか
パソコンを持ってその場を立つ。



テ「逃げんのかよ、」



ぼそ、と呟く。



テオくんは今起こってることを
終わらせないと気が済まないタイプ。



だから多分、そんなことを言った。



じ「言い合いとか意味無いじゃん」

テ「は?動画の為じゃん、」



私はその2人の会話を聞くしかなかった。



じんくんはテオくんの言葉を無視して
別の部屋に入ろうとする。



テ「ふざけんな、」



テオくんが持っていたものを床に投げ捨てた。



じ「…」



じんくんは俯いたままで
テオくんは何も言わなくなる。



テ「何も言わないなら俺帰るわ」

『え、待ってテオくんっ、』



珍しい、こんなに大ごとになるなんて。



普段なら、じんくんが必ず引く。



『…じんくん、』

じ「風呂行ってくる」

『あ…、うん、』



ずっとスカイピースをやってく中でいずれ
こんなことは、あるとは思ってたけど。



びっくりした。



じ「…」



無言で帰ってきてソファに座る。



『……髪の毛、びしょびょだよ?』



じ「…ふいて、」



『…え、』



じ「何もする気でない」



言われてフェイスタオルを持ってきて
じんくんが座る横で膝立ちする。



『…じゃあ、やる、ね』



どうやって拭くんだろう
どうすればいいんだろう、



私の頭の中はそればっかりで。



じんくんの髪の毛に触れる度
揺れた髪の毛からの香りが鼻をかすめる度



どく、どく、と鼓動がなる。



終わった時も、じんくんは無表情。



タオルを片付けようと
ソファから降りようとする。



と、手首を掴まれて
気づけば目の前にはじんくんがいた。



『…どう、したの、』

じ「今日、だけ。」



そう言ってじんくんは
優しく私の背中に手を回した。



じんくんの胸が耳にあたって
トク、トク、トク、とじんくんの心拍が聞こえる。



今日だけ、なんて。



1回こんなことされたら



もう嫌いになれないよ。



好きになっちゃうよ。



今日だけなんて、言わないで。

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