《あなたside》
テ「なぁじんた~ん、」
かばんをごそごそと探っているじんくんに
ちょっかいをかけるように話しかけるテオくん。
そしてそれを、少し離れた場所で眺める私。
じ「何~ちょっと待っててよ」
じんくんは
ちょっと冷めたような口調で返事をした。
私はこの2人と不思議な関係だ。
ただテオくんの友達、と言うだけで
じんくんとも仲良くなれて
たまに遊ばせてもらっている。
まあテオくんの
お友達大好き精神が原因だろうけど。
稀に撮影しているところを見れたりするから
この関係、ちょっと得だな、と思ったり。
今日も遊ぶ予定でスカイハウスに集まった。
2人でいちゃこらしている姿を見ると
あぁ、テオくんって本当に
じんくんのことが好きなんだな、と感じる。
…私も同じくらい
テオくんのこと、好きなんだけど。
『…伝えられるはずないか、』
私のそのつぶやきが聞こえないほど
テオくんはじんくんに、かまってちゃんだ。
テ「ねえじんたん今日冷たくない?」
じ「そんなことないよ、」
ちょっと面倒くさそうに答えるじんくん。
その光景に小さな笑いがこみ上げる。
テ「かまってよぉ~」
まるで小学生みたいな言い方。
じ「やだ」
そんなことを言いながら
じんくんもじんくんでテオくんの隣を離れない。
テオくんがじんくんの腕をつかみ揺する。
『じんくんツンデレだね、』
じ「あなたちゃん見てないで助けてよ」
テ「おいおいあなたも俺のだから」
じ「なんなのww」
テオくんの言葉を聞いて、とくん、と鳴る鼓動。
でもその言葉に確信はなくて
むしろいつものふざけた口調だった。
その場を立とうとしたじんくんは
テオくんに押し負かされて
結局同じ場所に座り直す。
それを見ていると
やっぱりテオくんの隣は
じんくんが一番似合うな、と思ってしまった。
ずっと前、テオくんが言っていた。
_こいつといると、一生非リアな気がする。
多分その予想は合っている。
きっとじんくんが誰かのものになるまで
テオくんも作らないつもりだろうな。
そんな馬鹿なことを考えて。
きっとスカイピースは
この2人じゃないとやっていけない。
お互いに信頼しあえる関係。
テオくんとそんな関係に
ちょっとでもいいから
なってみたいと思ってしまった。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!