第8話

#7
327
2019/03/22 20:50
薮side
今日は舞台「ハル」の東京公演最終日。

化粧と髪をセットしてもらい、衣装に着替えて
開演時間まで舞台裏でスタンバっていた。
今日は来るかな
なんて、もう会わないって決めたのに
なぜか毎公演、客席を見ては探してしまう。
あなたはあの事もう忘れてるのかな
でも、俺のファンなわけだし、忘れてないかな
たまに、あの日のことが最初から最後まで
はっきりと頭に浮かぶ時がある。
そんなことを考えていたら開演3分前になっていた。
役者の人達はそれぞれのポジションに着く。

もちろん、俺も。
薮 宏太
ラスト、、がんばろう
あなた いて。お願い
そう願って幕がゆっくりと上がった。
薮 宏太
?!
幕が開いて一気に眩しい光と盛大な拍手に包まれる。

それと同時に俺の目に入ったのは
拍手をしながら目を輝かせているあなただった。
うそ、、ほんとにいた、、
いつもの緊張とは違う緊張が俺を襲った。




なんとか劇を終わらせて
最後のカーテンコール。
今まで見ないようにしていたけど
やっぱり凄く気になってしまう。
最後ぐらい、、いいよね
幕がどんどん下に下がってきて
俺の目に掛かろうとした時

俺は微笑むような笑みをあなただけにした。

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